君と奏でる幸福を

君が居るから幸せなんだ。君さえいれば、世界が閉じようとも僕は幸福だ。


君と奏でる幸福を







一年中薄暗く日の当たらない裏町。
しかし、闇識の家の縁側には今日も暖かな日向が出来ていた。
俺は、縁側で微睡む響を後ろから抱き締める。
響は驚いたのか、「うにゃっ」と叫んでいた。
クスクスと自然に笑みが漏れてしまう。
響の体温や匂いを感じる、それだけで俺は幸せだ。
柔らかな笑みが響を彩れば更に好きになる。
憂いが響を覆えば、俺は守りたいと思うのだ。
抱き締めたまま響の抗議を聞き流せば、諦めたのか大人しくなる。
俺はそのことを良いことに、響の項に鼻を押し当てて響の匂いを堪能していた。
春のような優しく甘い香り。
匂いだけで俺は狂わされる。
甘い匂いのする響を食べればきっと、響も甘いに違いない。
「春姫ぃ、くすぐったいよぅ」
響の声も俺を狂わせる。
俺は夢中で響の匂いを嗅いでいた。
その間、くすぐったいのか響の身体は震えている。
匂いだけで我慢できなくなり、舌を這わせた。
途端に身体は大袈裟な程に跳ねる。
しかし、止められない。
止めてやれないのだ。
響の肌は匂いの通り甘くて、俺を夢中にさせる。
指では、柔らかな響の顎裏から鎖骨にかけてを、何度も丹念に愛撫を施していた。
愛しくて愛しくて仕方がない。
俺は誘われるように、甘そうな桃色の唇に口付けた。
ぷくりとふくれたそこは俺の想像以上に甘い。
そんなふうに考えると響の口からも甘いと言う言葉が漏れる。
そして響自ら俺に口付けてきた。
柔らかな花弁を押し開き、中を侵食する。
響も喉を鳴らして口付けを交わしていた。
そうして暫くすれば、どっと羞恥心が競り上がってくる。
俺は何をしているのだと。
ちらりと響の顔を見れば、頬を真っ赤に染めていた。
響の顔が赤かったのは、夕日のせいだけじゃないかもしれない。









fin.


(響、さっきは悪かったな///)
(あ、あのね……嬉しかったよ///)
(若いなぁ〜)
((ッ〜〜////))

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