チョコレートを君につけて

「春姫、はい……あーん」
俺のカワイイ恋人、響は苺にチョコレートを付けて、俺の口元に持ってくる。
そして、初々しいカップルの如くあーんとやってくれていた。
しかし、俺はもう食べることが出来ない。
あまりの甘さに胸焼けがするからだ。
だから俺は、逆に響に食べさせてみようと試みる。
「響、響も食べてごらん?美味しいよ」
しかし、響は首を縦に振らない。
「だめなの!これは春姫へのチョコレートなの!」
気持ちは嬉しいが、闇識でもない限り、甘党でもない俺なんかには食いきれない量だ。
「でも、俺は我慢しないで食べてる響、カワイイと思う」
「ぅぅ……」
もう一押し。
「せっかくのチョコレート、響と一緒に食べたいな」
抱き締めて囁けば、響は顔を真っ赤にさせる。
よく解らない唸り声をあげていたが、苺にかぶりついた。
「美味しい……春姫、美味しい」
口元にチョコレートを付けながら笑う響にどきりとする。
なんで響はこんなにも愛らしいんだろうか。
俺には響は眩しすぎる。
優しく頭を撫でれば、ご機嫌そうに苺を口に運んだ。
「春姫は食べないの?」
響は不思議そうに首をかしげて俺を見つめる。
俺はくすりと笑い、響、の口元に付いたチョコレートを舐め取った。
「は、春姫!?///」
「俺はチョコレートを付けた響を食べるから良いよ」
冗談混じりに言えば、響はぅぅと唇を尖らせる。
俺的にはホントにやってしまいたいが、自主規制。
そんなふうにもんもんと理性で闘っていれば、響はチョコレートを唇に塗りつけた。
「春姫、チョコレート」
それだけ言えば、幼い顔で妖艶に笑う。
俺は誘われるままに響の柔らかな唇に食らいついた。
甘い香りに包まれた室内。
俺は美味しくチョコレートと響をいただいた。












fin.
(響さん、チョコレート食べますか?)
(い、要らない///)
(???……)

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