HappyBirthday

君と出会えて僕らは変われたんだ。
HappyBirthday



春姫はそわそわとしていた。
闇識は不機嫌そうに睨みつける。
「春姫邪魔」
春姫は困ったように眉を下げておろおろとしていた。
「何やってるんですか……?」
流石に夏林も訝しげに春姫を見やる。
「……いやぁ……何あげれば良いか解らなくて」
夏林はため息を吐いた。
「貴方以外と馬鹿ですね」
夏林の言葉がもろに胸に突き刺さる。
「ぅ……」
「あの方はきっと貴方からのプレゼントならなんだって喜びますよ」
確かにそうなのだ。
それでも望むものを捧げたいのが男の性である。
春姫は自室に戻ればごそごそと箪笥の引き出しを探し始めた。
罪識は綺麗にラッピングされた袋を手にしている。
その顔はどこか満足げだ。
「闇識は何を用意したんだ?」
罪識は闇識の抱える箱を見つめる。
「お揃いの着物を仕立てて貰ったの……」
闇識は微笑ましそうに目を細めた。
夏林は苺がふんだんにあしらわれたケーキである。
秋音と冬華は似顔絵を描き、ニャンコはお気に入りの和菓子屋の饅頭だ。
姚燈と珠弥はやはり黒子ルックで人形劇を演じる。
大量の料理も机に並んだ。
そろそろ和正が今日の主役を連れてくるだろう。
チャイムが鳴り、扉が開いた。
『響(サン)、誕生日おめでとう!』
皆が祝福をする。
そこへ春姫が遅れてやって来た。
苦笑を漏らすと咳払いをし、響の首へペンダントをかける。
「それは俺の大切な物だから、響に持っていて欲しい」
春姫は照れ臭そうに笑った。
「改めて……響、誕生日おめでとう!」



fin.


(今夜はいつも以上に愛してやるからな)


遅くなってしまいましたが、誕生日おめでとうございます
大好きな響様に捧げます

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