四季を貴方と共に



四季、それは移り変わるもの。
その全てを貴方と共に。

四季を貴方と共に


朝、朝食の支度をしていればパタパタと可愛らしい足音が此方に近づいてくる。この足音の持ち主を、僕はよく知っていた。
「闇識、おはよー!」
一見すると少女の様に愛らしい顔に、花が咲くほどの笑顔。一体この容姿でどれだけの男を虜にしてきたのやら。
『おはよう』
僕も精一杯の笑顔を彼に返す。自分がどれ程不細工な顔に笑みを貼り付けても、彼のようにはなれない。
彼は春姫の恋人だ。
昨日も春姫の部屋に泊まっている。
『朝ご飯は和食か洋食どっちがいい?』
「えっとね、和食がいいの。闇識の甘い卵焼き食べたいから」
畜生、なんて可愛さだ。春姫にはかなり勿体無い。
「闇識サン、響サンおはようございます」
夏林が台所に来ると、響サンはおはよー!と良いながら駆け寄る。夏林は小さめの響サンを軽々と抱き上げた。
夏林もきっと純粋無垢な響サンに心奪われた一人だろう。
何時もなら、手伝いますと言って手伝うのに今は響サンとのお話に夢中だ。
そうこうしている内に学生組が起きてくる。
「「おはよう、響」」
「秋音、冬華、おはよー」
勿論、彼等も響サンに心奪われた一人だ。
「春姫まだ起きてねぇの?」
冬華は辺りを見回し、春姫が居ないことに文句を言うが夏林がそれを咎める。
「仕方ないですよ、あの人は朝に弱いですから」
「こんな可愛い恋人一人にして」
秋音はそう言えば響サンの頭を撫でる。
響サンは嬉しそうに笑えば「一人じゃないよー、皆居るもん」と可愛すぎる発言をした。
「今日、俺と一緒に遊ぼうぜ!」
「なに言ってるの、遊んであげるのは僕だよ」
冬華達がやんややんやと騒いで居たので、僕は朝食を並べ始める。
『さぁ、食べまs「響、勝手にどっか行くなよ」
僕の台詞に被せて喋った奴はギュウと響サンを抱き締めた。
「だって、春姫全然起きないんだもん」
「ごめんな?」
響サンは春姫の膝に座る。春姫が来れば、響サンはより一層艶やかになったような気がした。
『ほら、朝食が冷めてしまうよ』
終わりの見えない春姫と響サンに痺れを切らし、僕は皆に声をかける。
『それでは、改めて』
『「いただきます!!」』




fin.


「響、ほら、あーん」
「あー、ん……美味しぃ……ほら、春姫もあーん」
「あー、ん……美味いな」
((あ、甘すぎる……;))




春から夏、秋、冬そしてまた春へ
四季を貴方と共に
人様の手にかかると響はここまでかわいくなります
天然たらしなお子様です


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