Nightmare... (0)
0809 11:02



気づいたら私はそこに居ました。
階段…、それも古く小さめな太陽の光は全くといって言いほどなく、薄暗い雰囲気漂う場所でした。
嗚呼これは夢か、と即座に気づきましたが夢の中にいる私には、どうする事も出来ません。

ふと背後から気配を感じ、耳をすませばズズ…ズズ…と何かかはい上がってくる音がしました。私はそういう…はいずり回るとか…四つん這いといったものは見ただけで叫び声を上げてしまいます。
膝より下の同種の生き物の視線が私には最大の恐怖なのでした。

私はここに居てはいずれ追いつかれて、その恐ろしく見にくい姿を目にする事になると思い、必死に階段をあがります。
しかし何故でしょう、背後から聞こえる音は近づいて来ています。

嗚呼振り向くな、振り向いてはなりません。と頭のなかで警告をしましたが…その時ばかりは振り向いてしまいました。

螺旋階段でしたので、ほんの少ししか見えませんでしたがしわがれた血まみれの右手が見え私は息が止まりました。
嗚呼私はあれを直視したら人生は終わってしまう、なんて馬鹿な妄想をしてしまう程に私はあれが苦手なのでした。

ひたすら階段を上がる中、光に満ちた出口が見えます。あともう少し…とラストスパートをかけます。

出口を通るその時でした。

「…あと少しだったのに。」

恨めしげな低い声が
耳元で聞こえたのでした。





…本当恐ろしい夢を見ました。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -