柳家の夕食
柳家では、ご飯は家族皆で食べるのが基本である
勿論、まこも例外ではなく
今日の夕食も、皆で食べていた
「みゃぁ−(柳、鰹節ちょうだい?)」
夕食は、低いテーブルを囲んで食べる事が多い
猫缶を食べ終えたまこが柳の膝に乗り、テーブルを見渡せば
目に入ったのは、豆腐の上で踊る鰹節
「こらこら、上っては駄目だぞ、まこ?」
思わずテーブルに手をかければ、まこは柳に胸元を押さえられた
「みゃぁ−(柳、ちょっとだけ鰹節!)」
「ふ…、なにか狙ってるな?」
大人しく上を見上げるまこに、微笑む柳
「蓮二、まこはお刺身が食べたいんじゃない?」
テーブルを見渡した柳に、そう言ったのはお姉ちゃんで
「これか?まこ」
柳はサーモンの刺身を、小さく切って差し出してみるが…
「みゃぁ−(刺身じゃなくて鰹節だよ−)」
食べてはくれなかった
1番慣れている柳の手から食べないとなると
「どうやら、生魚は嫌いの様だな」
まこが欲しのは、刺身ではないらしい
再びテーブルを見渡した柳
「もしかしたら、鰹節じゃないかしら?蓮二さんまだ冷や奴食べてないでしょ?」
「ああ…、こっちか」
「みゃぁ−(当たりだよ!お母さん!)」
煮物、茶わん蒸し、和え物等に柳が目を移す中
正解を当ててくれたのは、お母さんだった
柳が手にとってやれば、ざらりとした舌が手に触れる
どうやら、正解らしい
生魚は駄目で、鰹節は平気なのか…
ちょっと変わっている、うちの猫
野良猫には向いていないな
あの日、うちに連れ帰って、本当によかった
鰹節を食べ終えたまこは、満足気に柳の手を舐め
いつもの様に、柳の横にごろりと寝転んだ
END
まこは鰹節が好き
生魚は食べない
テニス連載アンケート御礼小説