かわいい事が問題
まこの声は小さい。小さいっつーよりか細い?
「にゃー」じゃなくて「にゃ」でよく止まるし。
まあ、そこがかわいかったりもするんだけど…それが問題、そう問題なわけ!かわいい事が問題!
昼休みに入り、丸井はいちごミルクを飲みながら部室へと歩いていた。
部員達でさえかわいがってんのに他の人間がまこをかわいいと思わないわけねーだろぃ?
げんに他校の…跡部やら忍足やら越前やら白石やら思い出したくねーけどあいつら全員まこ大好きだし。
ずるるー…っといちごミルクの入った紙パックが空になった音を立てる。
まこ、無防備だし。
ガチャリと部室の扉を開くと既に電気がついていて、机には部誌が広げてあった。
だが部員は不在らしい。
部誌の上にごろんと寝転んでいたまこは、入って来た丸井にぴくりと反応し顔を上げる。
「(あ!ブン太!授業お疲れ様〜)」
丸井は無意識に微笑むとまこを抱き上げ鼻先を首元へ埋めた。
急な出来事にも関わらず、まこはきょとんとするだけで反撃はない。
普通の猫なら嫌がったりねこパンチをしたりするだろう。
こういうとこマジ無防備すぎだろぃ?
「変な男に連れ去られそうになったら大声出すんだぞ?」
ふわりと頬に唇を寄せ、丸井が囁くと
「バッカ!俺は変な男じゃねぇ!」
まこはぽふりと丸井の頬へ両手ねこパンチを食らわせたのだった。
END
(変な男っつーのは、例えばー…跡部とか、忍足とか、越前とか、とりあえずお前連れ去りそうなやつな)
((変な基準が分からないよ))
(あ、あと犬猫にも要注意だな。ふらふらついていくなよ?)
第十三回拍手御礼小説