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布団好き


 

柳家は畳や障子をふんだんに使った日本家屋で、寝るときには部屋に布団がひかれる。
それ故に、子猫のころから和室に慣れ親しんでいるまこが布団大好きという事は周知の事実だった。


「!(わあ!今日は和室なんだね!)」


合宿所で大広間に布団がひかれていたりすると、まこは真っ先にお気に入りの布団を探す。
その日、合宿一日目の練習が終わり合宿所へ戻るとすでに大広間には人数分の布団がひかれていた。

柳がまこを下へおろしてやると一目散に布団へ走って行く。
もふもふと布団の感触を確かめて、気に入ったところでコテンと身体を布団へ沈める。
コロンコロンと身体を転がしのびーっと伸びをするまこに、くすりと微笑んだ幸村は荷物を置いてまこの隣へ座った。


「ふふ、気持ち良さそうだね、まこ。今日の布団はそこで決まりかい?」


幸村が優しくまこを撫でる。
まこはそうだよーというように小さくみゃあと鳴いた。


「まこー!隙アリッ!」


せっかくの静かな時間だったというのに、それは勢いよくまこの居る布団に飛び込んで来た切原によって壊された。
勢いそのままにまこのお腹へずぼっと顔を埋める切原に、幸村は苦笑する。
切原の突然の攻撃にまこは一瞬キョトンとしたが、くすぐったいのか小さな手足をばたつかせた。


「あいてっ。蹴るなよまこ」


むにっと切原の頬にまこの肉球キックがヒットするが、遅くて軽い為痛みはない。
ふ、と笑いながら小さな脚を掴み肉球にキスをすると、今度は強めの猫パンチが逆の頬にヒットした。

まあ、それも痛くないんだけどな。

END
その後幸村が自分の布団へまこを乗せる。

(まこ、俺の布団の寝心地はどうだい?)

((うーん。ふかふかが足りないかなぁ…))

柳はぐしゃぐしゃになった自分の布団を見て淡々と言った。

(赤也、布団はちゃんと綺麗にしておけよ?)

(ゲッ!)


第十三回拍手御礼小説







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