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初詣


 


「あけましておめでとう」


1月1日深夜12時、柳家の玄関には立海レギュラー陣が勢揃いしていた。


「みゃ(みんなあけましておめでとう)」


小雪が舞う寒空の下集まったのには理由がある。
年明けから柳はまこを連れ祖父の家に里帰りしてしまうとの事で
レギュラー達はその前に一緒に初詣に行こうと柳と約束していたのだ。


「まこあけおめー」

「ピヨ。寒ないんか?」


柳がいつもの猫鞄ではなくコートの胸元へまこを入れ皆のもとへ出て行くと、切原や仁王を筆頭に皆嬉々と近付いた。

コートから出ているまこの顔をふわりと仁王が撫でてやると、まこは気持ち良さそうに目を細める。


「今年もよろしくお願いします」

「じゃあ行こうか、初詣」

「うむ」


こうして、レギュラー陣は近くにあるこじんまりとした神社に向かって歩き出した。


「みゃ(あ!雪だ)」


皆が和気あいあいと話しながら歩いていると、空からふわりふわりと雪が舞い降りた。
ふと立ち止まり皆で空を見上げると、柳の前に、にゅっと小さな手が伸びて雪を捕まえる。


「ふ、冷たいぞ」

「相変わらず可愛いですね、まこは」


皆がふわりと微笑んだ。



歩いていると、神社からの帰りなのかすれ違う多くの人達がまこを見て頬を緩めた。
それは神社についても同じで


「みゃ(ひゃ!冷たい!)」

「ふ、お清めだ」

「蓮二、ハンカチだ」

「ありがとう。弦一郎」


手水で柳がまこの手を清めてやっていると周りの人達は物珍しそうな顔をしてその光景を見た。


神殿の前に皆で一列に並ぶ。


「えっと…?」

「二拝二拍手一拝だ」

「だよな」

「ピヨ」

「んじゃ、まこも目ぇつぶれ」


丸井がさらりとまこの鼻筋を撫でると、まこは瞳を閉じる。
それを合図に、皆で賽銭を入れて手を合わせた。


願い事は、多分皆同じだろう。


「柳先輩、いつこっちに帰って来るんすか?」

「三箇日までは向こうにいるな」

「まじかよ…!」

「寂しいね」

「柳先輩!帰ったらメール下さい!俺すぐ逢いに行きますから!」

「来るな」


ずっとずっと、この日常が続けばいいのにと
願っても叶う事のない願いだと知りながら
それでも俺達は願ってしまう。


「おみくじ引きましょうよ!」

「そうじゃな」

「お守りも買わないとね」


あっという間の一年だった。
すごく充実した一年だった。

俺達は、また来年もこうして皆で初詣に来ようと約束したんだ。


「半吉…?失うものもあれば得るものもあり。結果は貴方次第で変わります。欲を抑えれば凶。時には感情に身を任せましょう…。なにかの冗談か…?」


END

今年もよろしくお願いします!
012.0105

第十二回拍手御礼小説








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