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フードの紐


::跡部家番外編:: 




「みゃー(宍戸、遊んでー)」

「ん?なんだよ」


頬杖をつき宍戸がカーペットに寝転んでいれば、とととーっと宍戸の首元に近付き腕の隙間に寝転んだまこ
ふと微笑み宍戸が見下ろせば、まこは肉球をペたりと宍戸の唇にくっつけた


「遊ぶのか?ほら、まこ」


くるりと大きな青い瞳で見上げるまこ
宍戸はフードについていた紐を少し出して持ち上げると、ふさふさとまこの前で揺らした


「みゃー(うりゃ!)」

「ふ」

「なー(とりゃ!)」

「お前、相変わらず鈍いな」


足も手も使って紐を追いかけるまこだが、ひょいひょいと交わす宍戸の紐は全く捕まえられない
頬杖をついた宍戸が楽しそうに笑い、紐を動かしていれば
ぺちりと頬にまこの足蹴りがくらわされた


「まこ、脚当たってるぜ」


小さく細長い脚に蹴られても痛くはない
笑いながら宍戸がまこを見れば、まこはやっと紐を両手で捕まえたところだった


「宍戸さん、ねこじゃらしありますよ」


そんな中やって来たのは、二本のねこじゃらしを持った鳳
鳳が二本のねこじゃらしをふりふりと触れば、宍戸はねこじゃらしを受け取ろうと手を伸ばし
ぴくりと反応したまこは立ち上がり、鳳の方へ飛び付いた


「うげっ…!!!」


伸ばしたまこの腕に、絡まったフードの紐
目一杯引かれた紐に首元が締まり、宍戸の首は絞められた


「うわぁあぁ!宍戸さん…!大丈夫ですか?!」

「ゴホゴホ…!殺す気か…!」


紐に絡まりころりと転がったまこを鳳が慌てて持ち上げ宍戸に近付けば
フードが緩まり宍戸は涙目でまこを見上げた
紐が絡まったのは、爪に紐が引っ掛かったのが原因らしい


「紐握った時に爪に引っ掛かったみたいですね」


まこを膝に乗せ、細長い腕を持ち上げた鳳が爪から紐を外していけば
まこはしゅんとした表情でにゃーにゃーと鳴き、紐が取れるとすぐに宍戸の首元にすりりと頬を擦らせた


END

(みゃー(ごめんね宍戸、怒ってる…?))

(ん?なんだよまこ、ねこじゃらしはいいのか?)

第六回拍手御礼小説







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