佐鳥ととっきー
「とっきーだ。おはよう」
「おはよう五月」

下駄箱の前で偶然会ったとっきーに声を掛けると、眠たげな声が返ってきた。

「夜中まで課題やってたから寝不足…」
「何の?」
「英語」
「えー…今日英語ある………うちのクラスにも課題出るかな」
「解らないところがあったら教えるよ」
「わ、ありがとうとっきー!」
「あ……でも今日は広報の仕事入ってるから教えられないけど…」
「ううん!大変なのにごめんね!」

広報活動をしている嵐山隊は尊敬する……じゃあ、放課後佐鳥いないのか。こないだの合同訓練で負けたからリベンジしたかったのに…………半崎くんだけ連れて行こ。

「あ、佐鳥」

目を丸くして突っ立っていた佐鳥に「おはよう」と声を掛けると、わなわなと肩を震わせた。

「え!?」
「どうしたの……置いてくよ」
「ああっ…ちょっと待ってよ!」

急いで靴を履き替える佐鳥を横目にとっきーと並んで歩き出す。どうしたんだろ佐鳥……英語の課題気になるのかな……。

「五月さん!とっきー!」
「課題ないといいね」
「何の話!?」
「違うの?」

てっきりさっきの話聞いてたのかと…。

「あ、こないだのリベンジは次の合同訓練のときするから」
「だから何の話!?」

佐鳥に宣言して「広報がんばって」と言うと、少しの間の後に「ありがとう」との返事が返ってきた。あれ、なんでそんな微妙な顔してるの?

「とっきー……」
「昨日うちのクラス英語の課題出たから、C組でも出るかなって話だよ」
「……うん………それも気になってたけどさ…」
「頼りにしてますとっきー」
「任せて五月」

大袈裟にお辞儀をしながら言うと、とっきーもそう言って軽く頭を下げた。

「ほら、それ!」
「「え?」」

喚く佐鳥にとっきーと二人で顔を見合わせて首を傾げた。


(呼び方!仲良くなってる!!)
(前からだけど?)
(そうだね)
(………えっ)

20160517

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