嵐山隊と私
「五月お待たせーーー!」

息を切らして部屋へ入ってきた佐鳥の声に木虎ちゃんと二人で肩を揺らす。び、びっくりさせないでよ。佐鳥より先に部屋に戻ってきた綾辻先輩は、くすりと笑って手に持ったコップに口をつけた。

「佐鳥うるさい」
「走ってきたのに!!」
「佐鳥先輩、通路走ると危ないですよ」
「う……でも五月が待ってると思って…」
「もっとゆっくり来ればよかったのに」
「ひどい!」

久しぶりに木虎ちゃんと話してたから待ってる時間はあっという間に過ぎた。会話というか私が一方的に話して木虎ちゃんが相づち打っていただけだけど。 何故か木虎ちゃんと話しているところを見た友人には驚かれるけど、木虎ちゃんは私にとって可愛い後輩の1人だ。

「佐鳥課題」
「ありがとう五月」

鞄から課題のプリントを取り出して渡すと、佐鳥はにこにこと笑みを浮かべてプリントに視線を落とした。え……課題うれしいの?
勉強好きだったっけと首を傾げていると、再び開かれた扉からもう1人の友人が顔を出した。

「五月」
「とっきーだ」
「置いて行かないでよ」
「とっきーごめん…」
「佐鳥がごめんね」
「なんで五月も謝ったの!?」

だって…荒船隊まで課題受け取りに行った佐鳥に付き合わされたんでしょ?悪かったなぁと苦笑しながら頬を掻くと、とっきーは「気にしないで」と手を軽く上げた。

「木虎と話してたんだ」
「うん。木虎ちゃん可愛いね」
「そ、それは今言うことではないでしょう」
「可愛いー」
「五月先輩!」

ツンとそっぽを向いた木虎ちゃんの頭に思わず手を伸ばすが、怒ったように避けられてしまった。でも頬赤い…照れてる。可愛いなぁと頬を緩ませて見ていると、「オレのこと放置しないで!」と佐鳥が泣きそうな声で言いながら隣に座った。

「大体五月は木虎に構いすぎ!オレにも構って!」
「えっ」
「お願い引かないで」
「五月…佐鳥泣いてる」
「佐鳥先輩…」
「泣いてないよ!?」

くすくすという綾辻先輩の上品な笑い声が響く中…最後に作戦室へ入ってきた嵐山さんは、私達の様子を見て眩しい笑顔を浮かべた。微笑ましそうなその視線がなんだかくすぐったいよ。


(仲いいな!!)


20170401

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