イレギュラー門
「イレギュラー門?」

学校から本部に来てすぐとっきーに教わりながらラウンジで課題を解いていると、佐鳥が今日も警戒区域外に門が開いたのだとふと話題に出した。

「ってなんだっけ」
「連絡来てただろ…荒船さんも昨日言ってた」

呆れたようにそう言った半崎くんにうっ…と声を詰まらせる。よかった…荒船先輩今いなくてよかった。いたら怒られてたよ。

「ええと…嵐山隊が対処したの?」
「それがさー」
「余計なこと言わないで課題やりなよ」

何か言おうとした佐鳥の言葉を遮って、とっきーは「他に分からないとこある?」と私の手元を覗き込んだ。
「最後の問題分からないんだけど…」そう言おうと口を開くが、端末の振動音にぴたりと口を閉じる。

「電話?」
「メール…嵐山さんから」

嵐山さんに返信を打ち始めたとっきーを見て、佐鳥も自分の端末を確認すると、「あっオレもだ!」と驚きの声を上げた。

「ごめん五月、招集掛かった」
「何かあった?」
「また市街地に門が出たみたい」
「えっ」
「大丈夫、もう収まってる。木虎がその場にいたみたいで、本部にいるようだったら作戦室に集まろうって」
「そっか、木虎ちゃんが…」
「途中なのにごめん」
「もうすぐ終わるから大丈夫!」
「また明日、学校で」
「うん!」
「二人だけで話すなよー!五月、半崎また明日!」

ラウンジを出て行く二人を見送った後、隣に座る半崎くんにとっきーに聞こうとした問題を見せると、すっと自分のプリントを横に並べた。

「怒られる」
「合ってるかは分からない」
「怒られる」
「あとで解き方聞けばいいだろ」
「半崎くんは教えてくれないの」
「教えるの苦手だ」

そう言って顔を逸らした半崎くんに肩を落として、仕方なく答えを書き写す。あとで誰かに聞こう。それにしても……。

「イレギュラー門かぁ…」

早く原因分からないかな…とため息を吐いた翌日、私たちはイレギュラー門の原因だという小さなトリオン兵を捜すこととなる。


(20170201)
原作時間軸入りました!

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