▼ 追記
私は家族がいません。
ずっと独りぼっちでした。
でも、ある日、とある家族に養子として引き取られました。
とても優しくて、温かい人達ばかりで「ああ、家族っていいなぁ」なんて思ったり。
家には3つ上に一人、3つ下に一人と義父。義母は海外出張で、あまり家には帰ってきませんでした。
その家で日が経つにつれ、"ワタシノモノ"が増えていった。
ある日、義父が犬を飼いだしました。
とても小さくて、可愛い子犬を。
それから3日後、義父は「金がない」と言い出しました。
困った私は
「何でお金がないのに犬なんて飼ったんですか?今すぐ売りましょう。生活が苦しくなるだけです。」
そう言い、子犬を売りに行きました。
「これでいいんだ」私はそう思ってました。
しかしそれからと言うもの、義父はずっと、何をやるにしても上の空で、私は不安感に襲われた。
暫くして、義母が帰ってきました。
異様な義父を見て義兄に理由を聞きました。
義兄は今までのことを話しました。
義母は「そうだったの…」それだけを言い。私の部屋へと向かいました。
部屋に入ってきた義母は悲しそうな顔をしていました。
「出て行って頂戴。」
言われた一言に私の世界が沈んだ。
「此処にはアナタノモノが多すぎるわ。」
私はこれからどうやって生きればいいんですか?
私は間違ったことをしたのでしょうか。
私は、わたしは、ワタシハ……
どうすれば良かったのでしょう。
†††††
それから私はとある青年と一緒に暮らすことになった。
「キミの部屋は此処だよ。荷物は此処に置いておくね。整理し終わったら、下へおいで。おやつがあるんだ。」
そう言って青年は部屋を出た。一人残された私は淡々と作業を進めた。
「ねぇ、他のものはどうしたの?」
私の部屋には最低限の衣類だけ。
ソレをみた青年は苦い顔をした。
問いに答えず下を向いていると、暖かい何かに包まれた。
「前の家で何言われたか分からないけどさ、もうちょっと欲張ってもいいんじゃないかな。」
上から降ってきた暖かい声。
心の中で繰り返される義母の言葉。
暗い暗い心の海で沈んだ世界を探してます。
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2014/05/05 (10:19)