そして私は失い続ける
この世で一番怖いのは
右手で殺しますか、左手で死にますか
言い訳の言葉が見当たらない
残念ながら、正義と悪の間に線引きは出来ない
右の隣人を愛します
今日は髪の毛切ろう
とりあえず謝っておけ
試しに死んでみた
じゃあ、そんな感じで
世の中便利すぎるからいけない
人差し指、剥げたマニキュア
淫らに抱き合う神の子
馨しい時間に溺れる
サテュロスに見つけられたヴィーナスとアモル
広げた両手に異邦の裸婦
世界の愛に酔いしれて
甘さを学べ
睫毛の先に、道理と条理の果てを見た
人がつくった淡水で、吐息混じりの囁きを描く
彼の鱗は愛だけをはじいた
をんな、貴方のその長い髪を血塗れた鋏で切つてみたいわ、と云つて嗤ふ。
をのこ、よもやその血はお前のかいな、と云つて嗤ふ。
羽の男は背を向けた
仮面の羊に清らかな雨を
男は蛞蝓、女は蝸牛
美しい彼女が確かに星だったように
人がいつでもモノクロであるように
隣人は凶器
ハイヒールの残像
火垂るは甘い水を求める
手首のゆめ、きみはバク
キスで情死した僕の死体
午前三時のグラハム・ベル
車輪は交わらない
熱で溶けてしまえたら
遺伝子に逆らう醜いホモサピエンス
重力に逆らう美しきホモサピエンス
色褪せるトライアンフは月を隠す
メロウ・アウト
溢れかえる憎悪を四角く切り抜いたものを大嫌いなあなたに差し上げます
策に溺れし策士のモノローグ
あすこの墓標が還るところですので
七割の絶望と二割の愛情と一割の自己犠牲