巣山と年越しそば


「年越しそばっていつ食べるの?」


お隣同士の巣山の家と年を越すのが日課になっている我が家の年越し。今まで過ごしてきて特に気にしてなかったけど巣山の家の台所にあるそばを見てふと思ったこと。


「年越す前に食べるのか年越した後に食べるのか越しながら食べるのか」

「なんかややこしいなお前」

「えー!すっごく気にならない?」

「好きな時に食べればいいんじゃね?」

「そしたらただのそばじゃん」

「…そうだな〜」


ん〜、としかめっ面をする巣山もなんだ知らないんじゃん!と巣山の携帯を奪った。


「わたしの携帯まだスマホじゃないからか〜して」

「時代おくれめ」

「物を大切にするって言ってください〜」

「ぶは!!!お前すごいタッチの仕方!!!!」

「はあ?」


ちなみにわたしの携帯はまだガラケーだし、タッチ機能がついてるものなんて構ったことないからどうタッチするかもわからずとりあえずダイレクトに画面を強く押して携帯の画面からはみ出す位に指を動かしていたらとなりで見ていた巣山に爆笑された。おい。年末にばかにされるって縁起悪いな。巣山になにか悪い事起きちゃえ。


「ね!巣山しゃべってなんちゃらやりたい!」

「なんちゃらって…」


ひょいと巣山に携帯をするりと奪われればちゃっちゃかと携帯を操作する巣山。ん、と目の前にマイクのマークが出されていたので「おそば!」と叫ぶと巣山にばこっと頭を叩かれた。いたい!年末なのに…!


「もう普通に検索すっぞ」

「あーい」

「ん、なんか年越す前に食べるみたいだぞ?」

「へー!!!!!って巣山!!!!」

「なんだよ」

「…時計」

「え?」


そう言って二人で時計をみた瞬間にゴーンと12時を告げる鐘が鳴り響いた。


「…あけましたおめでとう」

「完全ネタじゃねえかコレ」

「まあまあ、来年もよろしくねっ!」

「はいはい」

「あ、巣山ままそば頂戴〜!」

「年越しそば調べた意味…」

「食えればよし!」