「かんぱーい!」
31日で仕事納めをしたわたしはそのまま孝介の家へと行くことになった。ちなみに孝介は30日で仕事が終わりだったので今日は色々買い出しにいってくれてたみたい。我ながらいい彼氏を持ったなあと孝介からのそんなメールを見るとつくづくそう思う。二人でビールをごくっと呑むと今日もお疲れさまと顔を見合わせた。
「ぷはー!おいしい!」
「ったく、おっさんかよ」
「おっさんで悪かったですねー」
「今日もいいのみっぷりで」
孝介とおこたに入りながらテレビでお笑い番組を見てわいわいしていると、気づけば年越しまであと一時間を切っていた。
「やばいよ!今年ももう終わる!」
「なーんか早かったな!」
「早いね、ほんと」
「なんだかんだ今年も名前と年越しかあ」
「む!なにその言い方は」
「ちげーよ!嬉しいって言ってんの」
「…もー」
「はは、照れてやんの」
「うっさいばか」
孝介にわしわしと頭を撫でられながらふと顔をあげると目の前にだんだん孝介の顔が近づいてきてどちらからともなく唇をせがんだ。ふ、と離すとテレビから「明けましておめでとうございます!」と騒ぎ立ててる音が聞こえてきた。
「…年越しちゅーだね」
「ついでに姫初めもしとく?」
「孝介のヘンタイ」
「まあまあ」
つーことで、と軽く抱き上げられて二人で乱雑に布団に寝転がった。
「明けましておめでとう、今年もよろしく」
孝介の首に腕を回して一言交わせばまた甘いキスがわたしを包んだ。