「え、あっ、えっと」


あまり喋ったことがないのになんでわたしなんか・・・、と少し考え込んでしまってなんて返事していいか分からないままちらりと泉くんを見上げたら太陽の光に照らされてきらきら輝く泉くんにどきどきしてきてしまった。


「まずはお友達から、なら」


と控え目に小さな声でいうと泉くんはさっきまで少し緊張した顔してたのに、ぱっと笑顔になって口角をきゅっとあげたと思ったらわたしの頭に手を置いた。ぴくりと肩が跳ねて触れられたところがじわじわとあつくなってなんだか顔が赤くなってきて恥ずかしい。


「俺の事好きになってもらうように頑張るから」


覚悟して。とキレイな顔で笑った。いつも悠くんか三橋くんたちと居るときとは違った顔にわたしの心臓は終始どきどき鳴っている。


「あの、泉くん」

「・・・孝介」

「え?」

「孝介でいいよ」

「わ、わかった!」

「で?」

「や、やっぱなんでもない」


どうしてわたしなんかを好きなんだろう。って聞こうと思ったけどなんだか気が引けたのでやめた。そう思ったと同時にこんなにも真っ直ぐに告白されて泉くんのことを気になってしまう自分がいることにびっくりしている。

それから何日かは挨拶を交わすくらいでそんなに交流がなかったけれどその間にわたしは無意識に泉くんを視界にいれるようになっていた。泉くんを見てて思ったこと、ご飯を美味しそうに食べること、面倒見がいいこと、ちょっと乱暴で毒舌なこと、英語が苦手だってのと、クールにみえてすごく笑うこと、それから野球の話をしてるときが一番きらきらしてる。やっぱり野球が大好きなんだなあ・・・。野球をしてる泉くんはきっと話をしている以上にきらきらと輝いているに違いない。


「なあなあ!」

「なに?」

「最近泉のことずっとみてんね!」


え?と思わずびっくりして口があいたまま硬直してしまった。しかも悠くん声でかいし!!!ちらっと泉くんを見るとわたし達の話がきこえてたのかばちっと目があって目をまあるくさせてばーかとわたしに向けて口パクをして浜田くんとまた話始めた。は、恥ずかしすぎる・・・っ!!


「悠くん声でかい!」

「えー?普通だろ!」

「バカ悠くん」

「ひでー!苗字も同じくらいバカじゃん!」

「悠くんなんてもう嫌い!」


そう言うと焦ってごめんごめん!と一生懸命謝ったかと思えばいいこと思いついたと言わんばかりに、にぃ〜っと笑って今度試合みにきてよ!苗字のためにかっとばしてやるからさ!とバットで打つマネをしてる悠くんに思わず笑みが溢れる。まったく憎めないやつめ。


「しょうがないから今度見に行く」

「おう!」