気付いたら寝てしまっていたのかふと目が覚めてしまい時計に目をやれば夜の十二時半でもう一眠りしようと寝返りをうったのはいいがよく知っている顔が目の前にきて言葉にならない声が小さく漏れた。


「・・・・・・?!?!」


孝介くん?!?!ちょっと待って、落ち着こう。とりあえずここはわたしの部屋だよね?それで今は夜中の十二時半で。えーとえーと。そういえば孝介くんがお見舞いにきてくれてそれからなんでわたし寝てたんだっけ・・・!まだぐらぐらする頭を必死に働かせていたらふと思い出してサーっと血の気が引くのがわかった。わたし、ものすごいことしてたかもしれない。

『もう少しいてほしい』

そう孝介くんに告げたとき少し面食らったような顔をして「そういうの、ずりぃよ」と呟いて帰ろうとして立ち上がった足をもう一度地につけて服の裾を掴んでいたわたしの手をそっと掴んでベッドのすぐ脇に腰かけた。


「寝るまでいるから」


そう孝介くんに言われたとこまででわたしの記憶はぷつりと途切れている。


「・・・んん、」

「っ!・・・孝介くん?」

「〜〜・・・ん、!?わりぃ!寝てた!」


目を覚ました孝介くんはきょろきょろと辺りを見回した後まじごめん、とまだ眠そうな顔をしながら頭をがしがしとかいて謝る姿はなんだかいつもよりも幼く見えた。わたしこそごめん。と顔を見るのが恥ずかしくて下を向いていたらわたしのおでこにぴたりと孝介の手。寝る前にも一度やられたけどやはり慣れなくて顔がかぁと紅潮する。


「熱は下がったみたいだな」


ふわぁ、と欠伸をしながら携帯を開いた孝介くんはげっと声を漏らした。やっべおふくろから電話きてると携帯を見ながら頭をガシガシとかき急いでメールを打ち込んでいる姿をみてわたしのせいでごめんね、と呟けば孝介くんは携帯を打つ手を止めて「ばーか、お前はんなこと気にしなくていいの」とわたしの頭をわしゃわしゃと撫でた。


「明日も無理すんなよ」

「明日はいくよ」

「ん」

「孝介くんのおかげで熱下がったし!ほんと、ありがとね。それから、変なこと、言ってごめん」


でも、嬉しかった。
笑いかけたあとしばらく反応がない孝介くんにどうしたんだろうかと少し近付くとそのままぎゅうと抱きしめられて力強い腕に身動きとれなくなってしまった。


「・・・」

「こ、孝介くん?」

「・・・このまま帰りたくねえ」


耳元で囁く孝介の声にびくりと肩がはねあがる。


「まだ、返事もらえそうにない?」


そっと身体を離されて真剣に見つめられて息をするのすら忘れるくらいわたしの心臓はどくどくと高鳴ってる。