素直じゃない自分にお邪魔ぷよを!


ナマエがとても楽しそうに猫を撫でている。

「この子とても人懐っこいよ、可愛いね」

ナマエとはずっといっしょにいて思い出もたくさん共有してきた。
でもこの幼なじみという関係は最高で最悪だった。
一番側に居れるのに思いを伝えて関係が壊れたときのことを考えるとまるで動けなくなった。

いつも側にいるからこそナマエといられなくなるなんて考えられない。まさに最高で最悪だった。


何で猫を撫でる手は、向ける笑顔は僕に向いていないのだろう。
馬鹿馬鹿しい嫉妬だと思うけどどうしても止まらないんだ。

猫を愛おしそうに撫でる手を堪らなくへし折りたくなってぎゅっと封印の書を持つ手に力がこもった。
赤いタマシイは不思議そうに僕を見上げ、僕の顔を見ると僕をあざ笑うかのように口角を吊り上げた。


「そんな野良猫全然可愛くないね!毛色も汚いし目つき悪いし顔もぶさいくじゃないか!」


素直になれない自分を殺せたらな。


  * * * 



学年も上がってぐっと大人になったと思う。
レムレスやアコール先生から見たら私たちなんかまだまだ子供なんだろうけど、ずっとクルークと居て最近なんかこいつでかくなったな、って思う。

からかうとすぐに熱くなるし、レムレス馬鹿だし周りからみたら子供っぽいけど何故かそう思う。

そして前は全部共有していたのに最近は何を考えているのかまるで分からなくなった。
名前をあんまり呼んでくれなくなった。
それはもうクラスメイトとほぼ同じってことなのかな。


「この本ホントに面白いよ!最後にまるで考えが覆されるのがたまらないね!ま、まだキミには難しいだろうけどね!」


また名前で呼ばなかった。
キミ、とか他人行儀な扱い嫌だ。
何で他と同じ扱いなのかな。そんな風にしか言えない口なんて縫ってしまいたい。


この関係は本当に大好きでじれったい。

いつでも側に居れるのは私なのに進展出来ないのも私だった。

いつでも側に居れただけに側に居れなくなったことを考えることが出来ない。最悪だね。


「その本私も読んだけどぜんっぜん面白くないよ!分かりづらくて厨2向けだね!ま、クルークにはお似合いだろうけど?」


本当に素直じゃないなぁ、自分。


相対する絶対的な関係。



ダイスキが空回り。









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相対の反対は絶対であり、もどかしくて絶対的な関係である幼なじみで書いてみました。
分かりづらいですね。

お互い想い合っているのに一歩を踏み出せないって辛いものだと思いつつ書きました。


そんなこんなであれなモノですが@にぼしさまに捧げます!

苦情やら書き直しやらいつでも受け付けておりますのでお気軽にどうぞ´▽`


*20111019

 
 
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