VSあやしいクルーク
*クルークの彼女設定
「よくぞ来たな、我がナマエよ」
「いや、この家も私もキミの物でないからね」
クルークに借りていた参考書を返しに来たらなんかやたら赤い、世で言うところのイケメンがふんぞり返っていた。
めんどくさいなあ。
「この家とお前はこの身体の持ち主の物。そして今私はこの身体を支配している。
ようするに今は家もお前も私のものだ」
「今の状況に合わせてのぴったりな理論かもしれないけどそれただのジャイアニズムだからね」
いいこと言ったぞ!みたいなどや顔されてもね。
「まあひ弱なメガネを虐めている点においてあまりおかしくはないだろう。」
「分かるんかい!
ちょっと今の世に感化され過ぎでしょ!キミ一応魔物でしょうが」
「まあ、よい。時に聞くがナマエ、こんな見栄っ張りなナスメガネのどこが良いのだ?」
「ナスメガネって…。
見栄っ張りなんじゃなくて寂しがりやさんなだけだよ。何も見えてないように見えて結構人のこと見えてはいるし、良いって言われると分からないけどクルークと居るのが1番楽しいからだよ」
「……ふん。」
私の答えが気に入らなかったようで更にぶすっとした顔になった。
一緒に貶しあいでもしたかったのかな。
一応本人横に居るし、破壊力は大きいだろうけども。
あ、借りた参考書机に置いておこう。
「…ナマエ」
「うわっ!いきなり真後ろに立たないでよ!びっくりするじゃないか!!」
「…………」
わざわざ人の背後をとって何をするのかと思えば奴は後ろから手を回し、身体を密着させてきた。
ようするに、
ハグ、または抱擁。
「離してくれないかな?」
「お前が私のものになるというまで離さん」
…そう来たか。
魔物さん自分の思い通りにならなくて拗ねております。
あやクルの熱い吐息が耳にあたってこしょばいです。
うぐぐ。
「どうした?口では抗っても身体はそうはいかないのか?」
「…キミの今の台詞が1番辛かったよ」
聞いててね、こっちが恥ずかしいわ。
「と、いうかそんなことじゃ私も揺らがないよ」
「…ほう」
「こんな即興のものじゃなくてもっとちゃんとした策でも立てて出直して来るほうが良いんじゃない?」
「くくく、…やはりお前は面白い。いいだろう、猶予をやろう。次こそは良い返事をもらう」
ぱっと私を離してあやクルは楽しげに喉を鳴らして笑った。
引き分け?
次も負けないよ!
*20111003
*20111022ちょっと修正