VSまぐろくん



がらら、と部室のドアが開いた。


「まぐろくん、りすくま先輩見なかったかな?」

「ナマエちゃん、またりす先輩探しかい?」


「まあね」


ボクが密かに思いを寄せるナマエちゃんは、りす先輩のことが好きでしょっちゅうりす先輩を探す姿を見かける。
そして、何だかんだ言って先輩もナマエちゃんのことを気にかけてるみたいでちょっぴり危機感を感じる。


ちまちまと先輩のイメージがダウンするようなデマを教えてみたりとか、わざと違う場所に誘導してみたりとお邪魔ムシのようなこともしてみたりするけど、効果ゼロ★

しまいにはりんごちゃんに恋に破れた男の子の末路だね、なんて言われちゃったけどめげないよ。
だってナマエちゃんが手には入るならなんだって出来るからね。


そして今日も邪魔するんだ。


「そういえば、その前りす先輩が蜂の巣襲ってたよ★」


「蜂蜜が好きなんだね、覚えておこう」


まあまったく効かないんだけどね。

んー。

「そういえばりす先輩中庭に向かって行ったような…」「本当?!ありがとう、行ってくるよ!」

ナマエちゃんは静かに席を立ち、静かにドアに向かい、静かにドアを閉めてから、凄い音を立てて廊下を走って行った。


廊下に静けさが戻ってきたと思ったらまたドアが開いた。


「まぐろくん、ナマエくんを知らないか?」

「あ、りす先輩此処には居ないですよ」

いい感じに入れ違いになったようだ。
今日は成功だね★

「ふむ、じゃあ校内を回ってみるか」

「もう帰ったみたいです★」


「そうか、では少し外を確認して来てから帰るとしょう」


「さようなら、先輩★」


「ふむ」




 *  *  *


「さて、そろそろ帰るかな」


「まぐろくーん!!」


「ナマエちゃん!?」

いきなり部室に飛び込んできたナマエちゃん。
今回は静かな動作はなかった。

「どうかしたの?そんなに慌てて」

「りす先輩と付き合うことになったんだ!!」


「え★」


「さっき中庭に居るって聞いてからずっと中庭をうろうろしてたら本当に先輩が居て、しかもさっきちょっと雨ふったでしょ?
ちょうど虹が出てきてね、2人で虹を見てたんだ。
そしたらりす先輩が、つきあってくれないかナマエくんって言ってくれたんだ!
ありがとう、まぐろくん!君が教えてくれたおかげだよ!!」


「…うっひょう★」



勝ち!




で、でも諦めないからねナマエちゃん!
…って見苦しいかな★


*20111003



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