おまけ(というか補足)話
やんややんやと入部(もともとしてはいたようだけど)おめでとうムードに恥ずかしいやら謎やらぐるぐるしていると、軽やかにドアが開いた。
「こんにちは、まぐろくんにりすせんぱい。
…って!コゲ臭っ」
「あっ!!りんごちゃん★」
佐々木くんがりんごちゃんと呼んだ女の子はこちらを見ると少しびっくりしたように目をまんまるにした。
「えっと?」
「りんごちゃん、こちら名前ちゃんだよ★
一緒のクラスになれたからついでに連れてきちゃった」
「ああ、名字名前さんですね」
佐々木くんからの補足を聞くと、女の子はキリッと顔をひきしめてまぐろくんから話は聞いていますが改めて初めまして安藤りんごです、と自己紹介をした。
「あ、はい一応幽霊部員(?)の名字です」
「幽霊!?」
「へ!?」
「おっと★」
「おやおや」
幽霊と聞くと安藤さんは猫が毛を逆立てるようにびっくりしていた。
というかその驚きで私も驚いたのだけど。
「りんごちゃん、幽霊が苦手だからびっくりしちゃったの か な★」
佐々木くんが安藤さんを介抱するように肩を支えた。
すると安藤さんはゆっくりと気を落ち着けたのか立ち上がった。
「え、ええすいません、ちょっと取り乱しました。
非科学的なものは苦手なんです」
「あ、それで幽霊でびっくり…みたいな」
「え、ええまあ…」
「えっと、驚かせてごめんなさい!
あと、此方こそよろしくお願いします、安藤さん」
「ええ、お恥ずかしい所をお見せしてしまいましたが、名字さん…いや名前さん、これからよろしくお願いします。
そしてこれからは共に物理部にて理科の可能性を広げましょう!」
「りんごちゃん、それ既にりすせんぱいが言ったよ★」
2012/04/29
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