左右と引き続き水色



いやまあね、二度有ることはサタンさま。
間違った、二度有ることは三度あるとあるように嫌ななこと面倒なことほど連続するものなのだった。




「くっ…クルーク…!!
これはどういうことですの…!?」


アミティがハートを飛ばしながらぶっ飛んで行ってから数秒も経たずして現れたラフィーナはひくひくと顔をひきつらせた。
そんなラフィーナを見てクルークはと言えばさっきのテンパり具合はどこへやら。いつものわっるいにやにや顔である。切り替え早いな!


「これは成り行きだから不可抗力だよ、ラフィーナ」


「……成り行きでって朝っぱらから教室でナマエさんにやましい真似を働こうなんて百年早いですわ」


「事故だよ、事故!」


「じゃあさっさとナマエさんの上から退きなさい!ですわ!
いつまで乗っかっているつもりですの!?」


「じゃあ早くラフィーナこそ僕の前からよけてくれないかなぁ?」



いつもだったらとっくに足が出ているラフィーナも私が近くに居るせいで何も出来ないらしい。
ラフィーナが舌打ちして間を空けると、クルークはゆっくりと私から離れた。


そしていつものKENKA☆である。ゴングが鳴った…気がする。


「じゃあその事故とやらを詳しく聞かせて貰おうじゃないですの」


「シグがナマエに足払いかけて、そのせいで転がった荷物に足を取られて僕が転んだだけさ」


「ふーん……怪しいですわね。どうせ嫌らしくなくナマエさんに触れられる言い訳じゃなくって?」


「違う!誰がそんなみみっちい真似するか!!」


「あら?じゃあさっきまでナマエさんの上で真っ赤な顔してたのはどこの誰かしら?」


「うううるさい!キミこそナマエに僕が触れたから羨ましくて嫉妬してるんだろ!」


「まっ……!?単なる偶然をかこつけて何を言い出すかと思えば!」


ぱんぱんと埃を払い、ようやく立ち上がった。

が。
うーん、蚊帳の外。
気がついたらシグはいないし。
しかしまあさっきから触れたとか嫉妬とか喧嘩にあるまじき言葉が舞ってるけど聞かなかったことにした。



「そうですわ!!クルークだけそういう思いをするのは不公平ですわ!!
私もナマエさんの前でシグに足払いをさせればいいんですわね!」


「え!?聞かなかったことにしている間にいったいどういう結論に達したんだ!?」


ていうかクルークも止めようよ!ラフィーナが珍しく暴走迷走しているのに何故止めない…と思ったら既に気ぜ……夢の国に旅立っていた。

ラフィーナは決めたらそのまま猛進するタイプだ。クルークというストッパーがいない今、止まらない。


「ナマエさん!シグはどこに行きましたの!?」


「えっと……気がついたらいなかったみたいな……」


わかりましたわ、と真顔で言うと廊下を駆け抜けていった。
シグ出てきなさい、と遠くの廊下から響いてきている。


…あ。だからシグ逃げたのか…恐ろしい子…!


というかあまりちゃんと話したことなかったけどシグってあんなに黒い子だったっけ……。
イメージとしてはぽやぽやぽわぽわだったのに、今やそのイメージは粉塵である。



「…らへーな速い」


「…わあ…いつの間に横にことの元凶が」



注意すべきは左右だけじゃないと気づいた日であった。
ちなみにあと10分でアコール先生が来るけど大丈夫なのかなこの状況。






*2012/03/22






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