左と水色と赤色


よくある小説の自分を他人目線で語るアレ、絵で表現するならその行動で一時停止する私とその横でどうしてこうなった的なことを語る私が存在するかんじ。
だがそれは表現であり、一時停止などしない。感覚ではふっ、と止まった感じはするけど。


え?何でこんな話するかって?

宙を舞う筆記用具に愛読書などありとあらゆる持ち物に、重さのある為にそれらより急速に床へと落下する私。
今、この瞬間がそうなってるからさ!
そして一時停止は無いとか格好いいことをほざいておきながら前言撤回と言わんが如く場面は一時停止した。


そしてこれまた一瞬にして地面に落下するのであった。
筆記用具はリズミカルに音をたてるものの、私が床に叩きつけられる音はなかなかに見苦しい。どすん、とかばったん。
そして鈍く痛い。


「おー、いい転びっぷりだー」

「……誰のせいだ」


朝の爽やかな教室入り(予定)をドア横で足を払った彼のお陰で宙を舞う羽目になったというのに、犯人であるこのぽやぽやシグくんは反省とかしないようだ。あっ、わざとか。そうかそうか。

「んー…今足払いしたから」


「そうだね、それがなかったら今頃爽やかな教室入り出来たんだけどね!」


「今まででいちばん面白かった」


「まずごめんなさいだよね、そんな感想いらないからね」



散らばる文房具、そしてまったく反省の色を見せない水色くんに疲れた私はそのままぐでんと倒れた姿勢のまま水色くんにプチ説教(ただし相手にまったく効いていない)をし始めたのが今日の失敗。


普通に考えて、ただでさえ目の前に人に足払い掛けて面白いとかいう小悪魔くんが居る上に、周りには散らばる文房具。

そんなこともつゆ知らずに、私の騒がしい右隣くんはやってきてしまったのである。



まあお察しの通りだ。はっきり言おう、二次災害が起きた。


丸っこいペンを踏んで滑ったクルークは前のめりに倒れ込んだ。ちなみに落下地点は私の上である。



「うぎゃっ!!」


「ぐえふぅっ!!」


「あ……二次災害」


一見軽めに見えるクルークでも一応は年頃の男子だ。筋肉も体重もあるのでなかなかの重量だった。ぐへぇ。


「……なっ…何なんだ…?
うわっ!?ナマエ!?」


「メガネ、ナマエ、だいじょうぶか?」


「…若干大丈夫じゃない」


慌てるクルークと悪戯が成功したちびっこのように楽しそうに爛々と目を輝かせるシグ。

クルークは戸惑いつつゆっくり床に手をつき、立ち上がろうと体勢を整えた。



「クルーク、今なんか凄い音したけど大丈夫?」


「やあアミティ、おはよう」


「え!?くっ、クルーク!?」

「なんだよ騒がしいなぁ…あっ…」


只今の現状。
倒れ込んだ私の上にて覆い被さるように床に手をつくクルーク。

乱れた服装。(転んだからね!)



カシャンカシャン、カシャーン!とアミティ内で何かが整理されたらしく、そして彼女の叫ぶように発した言葉は定番中の定番であった。






「クルークとナマエがいつの間にそんな関係に!?
あ!お邪魔しちゃってごめんね!!邪魔者はおいとまするからね!」


「おいこら!アミティ!誤解だ!」


「…定番だなぁ」






*2012/03/22
アミティさんやら色々定番でした。
ちなみにシグくんは仲悪しサンドでは黒い(腹的な意味で)子です。確信犯。

若干続きます。






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