「サイン、コサイン!」


「円月殺法!」


仲良くぷよ勝負中のこちらはまぐろくんとりんごちゃん。
りんごちゃんと自分のチョコと置いて見守りつつ机でうとうとする私ナマエ。



一応今日はバレンタインデーということでりんごちゃんと私はチョコを準備し、まぐろくんとりすせんぱいに渡すことにした。
2人同時に渡そうと言っていたのだけどりすせんぱいがまだ来ないので待機中。


2人は暇つぶしに勝負を始めていた。うーん、眠い




「にゃっはははー!」


「うっひょひょー!」



ぶつかり合って弾かれたお邪魔ぷよが端から飛んでいる。
机にぶつかったり、ドアにぶつかったり。危ないから少し移動しょうかと思った瞬間お邪魔ぷよはどすんと思い音をあげて私が守っていた大切なアレに乗っかっていた。
ぷよんと柔らかいそれは以外と重量もあるし弾かれた勢いで箱は大変なことになっている…



「うわあぁぁ大変!チョコが!ぷよが!」



「どうしましたかナマエ…あああー!チョコが…!?」



「ぺっちゃんこ、だね……★」


箱と共に潰れた生チョコは箱と合体していた。
うわあぁぁどうしょう!



「…りんごちゃんこれからは私コツコツジャブ攻撃でお邪魔ぷよはあますことなく消すことにするよ…」



「いやいや今はそんなこと言ってる場合じゃないんじゃあ…★」


「……アルコールランプとマッチ、ボウル、未使用の箸、洗剤とスプーン、アルミホイル…よし、イケます!」



「え?」



「この材料があれば何とか出来ます!いや何とかしましょう!」



「さっすがりんごちゃん★」



「それじゃあやりますか!ナマエはアルコールランプで箱にくっついていない部分のチョコをボウルに溶かして下さい、私はアルミホイルで型を作ります!
あとまぐろくんはりすせんぱいが来たら入らないよう出来るだけ時間を稼いで下さい」



「了解だよりんごちゃん!」
「りょーかい★」



    * * *


「みなで集まってどうしたのかね?ふむ…甘い匂いがするが」

ドアの外のぷよ勝負でりすせんぱいを引き留めていたまぐろくんに合図を出すとりすせんぱいを引き連れて部室に入って来た。


後ろに隠した匂いの根源は、りんごちゃんのフォローにより歪ではあるけどハート型のチョコになっていた。
そしてりんごちゃんと私のチョコを合わせたから壊れる前より大きくなっている。


りんごちゃんと私とでチョコを持ってせーのでかけ声、


「「りすせんぱい、ハッピーバレンタイン!いつもありがとうございます!」」


「りんごちゃんとナマエちゃんと僕からのプレゼントです★」



「りんごくんとナマエくんとまぐろくんの3人全員からの愛の形…味わって食べさせてもらおう、ありがとう」


りすせんぱいは目を細めて嬉しそうに頬を染めた。
大成功ですね、とりんごちゃん。大成功だね、と私。



今年も甘い日は私たちに甘い幸せをもたらしてくれた。
良かった良かった。
りすせんぱいが皆で食べようと分けたチョコは特別に美味しかった。









「ねえ、りんごちゃん、ナマエちゃん」


「どうしましたかまぐろくん」


「お疲れ様、まぐろくん。キミのおかげで助かったよ」



「何か忘れてない?」



「え?使ったボウルやスプーンはきちんと洗剤で洗いましたよ」



「ちゃんとチョコも使いきったし……あっ、まぐろくんの分のチョコ」



「あっ……」



「ごめんねまぐろくん、りすせんぱいの分を確保するときに多分キミの分のチョコも溶かしちゃったみたいだ」


「えっ★」



「だからあんなに大きかったんですね」



「ごめんねまぐろくん、まあキミもさっき食べたしチョコを潰したのは半分はキミのせいだからまた来年の楽しみということで……」



「……うっひょう★」


2012/02/14 *HAPPY Valentine's Day!
 
 
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