「……甘いな」


「何が?」


「匂いさ。
教室の女子という女子から甘い匂いがするから参っちゃうよね」



「あれ?クルークって甘いもの嫌いだっけ?」



「嫌いじゃないけど、授業中に甘い匂いだらけだと集中も出来たもんじゃないからね」



「まあまあ…ほら、もうちょいでバレンタインデーだから」



「えぇ……!?」



「なに驚いてるの?もしかしてバレンタインデー知らないとか?」



「いや…まさかナマエの口からバレンタインデーなんて言葉が出るなんて……」



「失礼な奴だな!」



「だってまともにお菓子を作れたこともないナマエがあげる側だなんてとても思えないし?
レムレスとかアミティからのお菓子を貰ってからバレンタインデーだったのかぁ、なんて言うシグと同じ分類だろ」



「うぐぐぐぐ……」



「あれ?もしかして何も言い返せないのかな?
まあその通りだからしょうがないけどね!」



「……言わせてやる」




「え?」



「クルークがびっくりするくらい美味しいお菓子を作ってぎゃふんと言わせてやるから覚悟しておきなよ…!」



「ふぅん、まあ頑張りなよ」







「(まったくのせられやすいんだから。
これだからナマエいじりは止められないね!)」







 
 
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