ころり、と手のひらで転ぶ飴玉。包み紙は緑色のぷよ柄。


「あー……今日は緑ぷよだぁ……」


「残念だったね。
また明日挑戦しにおいで」



出した袋を静かに閉まってにこりと笑うレムレス。
私は包み紙を外し、飴を口に放り込んだ。
透き通る緑に、メロンかと思ったそれはマスカット味だった。

うーむ……


「うむむむ……美味しいけどやっぱり悔しい……」


「まあ今日もそれに対しての運がなかった、ってことだね」


レムレスが持ち歩くお菓子…特に飴の袋に入っているたくさんの飴たちの中に包み紙をちゅーぷよ柄、飴がストロベリーミルクという可愛らしいものがごく少数入っているらしい。

そしてたくさんの飴たちが入った袋から中身を見ることなく、そのちゅーぷよ飴を取り出すことが出来たら恋が叶うらしいとの最近の噂。


発信元は誰かは分からないが、あの怪しさ全開のレムレスからお菓子を貰う勇気のあるチャレンジャーはこの噂を試すべくこの飴袋に手を突っ込む。
かく言う私もその一人である。

…ただピンク色のそれは顔を見せてはくれないが。



「みんなよく挑戦するけどナマエだけだよ、毎日毎日挑戦するの」


「まだ1回も出てないのに諦められないよ。
それに、毎日やってれば当たる確率が上がっていく筈だからね!」



「え?
毎日補充してるから確率的にはいつも同じだよ」


「え!?
はっ、初耳だよ!?これで明日には更に確率が上がるって密かにほくそ笑んでいた私って一体……」


「うん、まあ頑張りなよ」


いつかは出るよ多分、とにこにこと優しく笑うレムレス。


「ところで、ナマエはどうして恋のおまじないなんて始めたのかな?
もしかして好きな人でもいたりするの?」


「えっ、ええっ!!
いや、まあ……いる、けど……」


可愛らしく首を傾げて問う貴方が好きです……なんて言えるわけない。
そもそも言えたらおまじないなんて不確かなものに頼らないわけで。


こっちを見ないで欲しい。
綺麗な顔で、こっちの応えを待っていると意識してしまうともう俯くしかない。
……顔の熱、今は暖まらないで欲しい。


「そうなんだ。
うん、じゃあ明日また挑戦したときにお目当てのぷよキャンディが出たらその好きな人教えて?」



「えっ!?」



「だってゆくゆくは告白するんでしょ?練習だと思って僕にしてみればいいと思うよ」



「そっ、それはちょっと…あの、えっと何というか…!」



「大丈夫、誰にも言わないから安心して。じゃあ明日を楽しみにしてるよ、じゃあねナマエ」


「……レムレス…!」



「ん、なあに?」



「…何でもない」


どうしょうどうしょうとぐるぐる頭が駆け回る。
でも、毎日のようにやって出ないんだから明日だって出ない……よね、多分。


気がつけばころころと口の中で転がっていた飴玉は溶け、薄くマスカットの匂いだけだった。



Hello*tomorrow!





2012-01/21
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立花さまへ!

レムレスの甘……ということでなんだかベッタベタな話になってしまいましたが如何でしょうか^^;
私の甘ってなんだか糖分が足りない気が致します。微糖かな…レムレス先輩が泣きますね。


そしてコメントありがとうございます!
毎日楽しみにしていただきとても嬉しいです!*^▽^*
甘党怪獣シリーズも全然進んでおりませんがもさもさ頑張ります!

リクエストありがとうございました!
拙いものですが捧げます!






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