私は知らなかったんだ。
今日も平穏平和だなぁ、なんて既に何かのフラグでしかないと。




「ナマエちゃーん!!」


「へぶっ!!」


りんごちゃんやまぐろくんと別れてから数分。
あともう少しで家に着く、という所で騒がしい音と共に水色と黒の塊が私に飛びついてきた。

「ナマエちゃんは、見たとおりやっぱり細めで柔らかいね!」


あはははは、と笑いながらもぎゅーと抱き締めてくる水色と黒の人。
だ、誰この人……


「すいませんが…誰ですか貴方」


「えー、ひっどいなぁ!ナマエちゃん分からないの!?」


「……うーん」


「えーっ!?分かるまで離さないよー?」


水色と黒のマーブル模様の特徴的な服装に、緑に近い水色の髪色。
そしてさっきからの挙動不審とヘンタイチックな行動。


頭の中で、検索ワードを打ち込んで出てきたやつはたった1人。

でも、


「むぐぐ…私の知ってる奴はこんなイケメンじゃなかったよ」


「僕は最初からイケメンだよー?」



「もしかして?」



「おっ、分かった?分かった?」




「え、ころ?」



黒い陽炎みたいだった彼は触れなくて文字通り其処で揺らめくだけだった。
それが今は凄く人間らしく(元々人間臭い動きはあったけど)体温も鼓動も感じる。


時の旅人の、エコロ。




「だいせいかーい!
やっと分かってくれたね!ナマエちゃんたら鈍感さんだなぁー」



「まさか人間になって飛び付いてくるとは思いもしなかったよ」




「気づいたら人間だったからこれはナマエちゃんに抱き付くしかないな!って思ってね!」


「はははは…ロクなこと考えてないね」



「まあでもこれでナマエちゃんに触り放題だから今まで触れなかった分これから触りまくるからよろしくね!」



「なんてよろしくしたくないよろしくなんだ!?」



「じゃあまた明日、悪戯しに来ようかな!まったねー!」




ひときわ強めに抱きしめてどこかへ去っていったエコロ。

残る暖かさも身体の感覚もみんな本当に人間で、彼自身本当に嬉しそうだった。
嵐のような奴がいなくなると何処か静かで寂しい気がするのはきっと気のせいの筈。


まだ頭で騒ぎまくる黒と水色をどうにか押し込んで、家のドアを開けた。





2012-01/29
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ウルフさまへ!

かわったエコロで抱きつかれということで初っ端から抱きつかせてみました!(どや
エコロは動かすのが可愛い子です。そのせいかやっぱり表現がやたら子供っぽくなります。でもそんなところもSUKI!


いつも来ていただき、ありがとうございます!
今後も頑張らせていただきます*^^*


コメント、リクエストありがとうございました!
遅くなりましてすいませんでした。拙作ではありますが捧げます!







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