じわりと滲む痛みと赤い液体。
うぅ、やってしまった。


「ん?どうした?」



前を歩いていたシェゾが振り返る前に立ち上がった。
前が長いスカートで良かった、滲んじゃうだろうけど外からは見えないはずだ。



「ううん、何でもない」


どくんどくんと流れていく感じがする。
転ぶなんて久々だからかな、ちょっと痛い。



「ナマエ」


「ん、なに?」



「スカート捲れ」


「は!?」



「だ・か・ら、スカート捲れ」



「へっ、ヘンタイだ!!」



「ちっ、違う!
断じてヘンタイじゃない!」



「私のパンツが見たいのか!?
残念ながらスパッツ履いてるから見れないぞ!」



「そうじゃない!誰がお前のパンツなんぞ見るか!!

足怪我したんだろ。さっきから引きずってる」


しゃがみ込んで少しだけスカートを捲ってそこまで酷くないな、と呟いた。
そしてしゃがんだ体制を崩さずに此方へ背を向けた。


「ほら、乗れ」



「おんぶ?
シェゾ潰れちゃうよ」



「潰れるか!!
毎回毎回お前は腕が華奢だの腰が細いだの女装が似合うだの俺を馬鹿にしてるのか!?」



「いや、だってシェゾ綺麗だしなんか綺麗な男の人ってイメージが弱くてね。
女装も似合ってたよ、ほんとうの女の子みたいだった」



「俺は 男 だ!!」


「うわ、何するんだ!」


しゃがんだ体制からいきなり立ち上がっていきなり抱き上げた。
所謂お姫さま抱っこ。

顔も肩も全部近くて無駄に心拍数が上がる…けどやっぱり彼らしさに平常心に戻っていく。


耳も近い位置に顔があるのに耳元で囁くとかそういう感じのイケメンさを持ち合わせていないらしいシェゾさんは耳元であるというのに誇らしげに声をあげる。


「どうだ!お前を抱き上げるくらい動作ないんだからな!

そしてこれで認めざるを得ないだろう…!俺の男らしさをな!」



「うん、まあ惚れ直したけど子供っぽいかなぁ」


「なっ、惚れ直したとか真顔で言うな!
そしてまだこの期に及んで子供っぽいだと……!」



「シェゾ顔あかーい!
照れてる?もしかして照れてる?そういうところが子供っぽいよ!」



「くっ、コイツいつか思い知らせてやる……!」





2012^01/21
--------------------------
夏希さまへ!

今回シェゾ甘でしたが、今回のではシェゾさんの格好良さ、イケメン加減、可愛い子供っぽさ、ヘンタイ要素などなど、彼の魅力語りまだまだ足りない気がします。
精進します…!


そして何故かシェゾさんっていじくりたくなるんですが何故ですかね…ちょっと楽しかっt(ry




リクエストありがとうございました!





「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -