結束、団結力は素晴らしいと言ったのは学校の先生だったか、はたまた何かの本か。
その時はそれもそうだと思った。
え?今?
ダブルヘンタイが結束しやがりまして最悪の事態ですけど。
要するに素晴らしい志を持った人たちが結束するのは素晴らしく、最悪の目標を目指す奴らが結束すると大迷惑ということですね。
はは、理解理解。
「というわけでやりたいのだがナマエ、お前ちゃんと話を聞いていたか?」
「聞いてても聞かなかったことにしたいね。WH共」
「WHって何だ!!まさかダブルヘンタイじゃないだろうな!!」
その通りだが真実は言わないであげよう。うっさいし。
「色々あって要約するとだな!
ナマエ、お前の服を脱がし合いっこしたい訳だ!!」
「その色々を説明しろ馬鹿サタン!!
そして要約して最終的に脱がし合いっこになることを了承するわけないだろ!!」
意味分からない。
サタンの私より綺麗で無駄に長いサラサラストレートの髪も意味分からない。
掴んで千切りたい。
「ふむ、私の説明を欲するか…
ナマエの頼みとあっては仕様がない!魔界の貴公子サタンさまが華麗に説明してやろう!」
「うぜぇ」
サタンの勢いのせいで影が薄まったシェゾはいじけ、横でカーバンクル人形を弄くっている。
こっちをちらちら見んな。
どうして欲しいんだよ。
こっち見んな。
「北風と太陽という話がある。
きっとナマエも1度は読んだことがあるだろう。
その話で北風と太陽は競い合い、旅人の厚いコートをどちらが脱がせることが出来るかという勝負になったという。
そして最近アルルをどちらの物にするかという勝負がいっこうに着かない。
そこでだ!その北風と太陽にかけてお前の服をより多く脱がせた方がアルルを自分の物に出来るという勝負にしょうと言うことになったのだ!」
よくわからないポーズを決め、キメ顔でこちらの反応を待つサタンに釜茹でというワードが浮かんだ私に罪はないと思う。
釜茹で。
「何で他の女の子の取り合いで私が脱がされなきゃいけないんだよ」
アルルはカーくんの嫁でいいだろもう。
お前ら2人黙ってたらイケメンなんだから黙ってろよ。
「…ふん気付かないのか?ナマエ」
向こうでいじけていたシェゾも復帰。
もうカーくん人形はいいのか。
「なにがだ」
「アルルをどちらの物かハッキリさせられる上にナマエを脱がすことが出来る!一石二鳥じゃないか!!」
「黙れヘンタイ。
何が一石二鳥だ。悪趣味ヘンタイ野郎が」
一石二ヘンタイにしてやろうか。一石で頭かち割ってやろうか。どうせ血まみれになろうともイケメンなんですよね分かりますうざいですね。
「ヘンタイっていうな!
まあいい…口では勝てんが所詮はお前も女だ!俺たちには勝てまい!」
「腹立たしいが今回はこいつと同意見だ。
さあ怖がらず服のボタンを私に差し出せ!」
「お前らヘンタイなんかに差し出す貞操もボタンもない!アルルに告げ口するぞ!」
「残念だったな!こういう展開にありがちな人気のない壁際だ!」
「ふっ…アルルも私の男らしさに惚れ惚れするだろう…」
本当に壁際で人気のないこの場所でじりじりと距離を縮めるヘンタイ2人。
「止めろ!こっちに来るな!手をワキワキ動かしながらこっちに来るなぁぁぁ!」
ヘンタイとヘンタイ
このままだと後味が悪いので付け足し。
ダブルヘンタイの後ろから可愛らしいけど凄い怖い脳味噌を溶かす呪文が聞こえ、可愛らしい顔が黒く笑っているのが見えた。
とりあえず私、ナマエはダブルヘンタイの毒牙にかかる前に可憐な少女に助けられましたとさ。
めでたしめでたし。
*20111224
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書いててめちゃくちゃ楽しかったのは言わずもがな。
苦手な方もいらっしゃるとも思いますが夢主さんが口が悪いのは書いていて面白いですね。