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「あ、りす先輩、血出てますよ」


「ふむ」


「手ですよ、手」


「ああ、先程割れたフラスコを片付けた際に切ってしまったのだな。じきに止まるだろう」


「相変わらずワイルドというか自身を顧みないというか…手を出して下さい」


「ふむ?」


「はい、絆創膏ですよ。傷口が早く乾かないというデメリットがありますが細菌侵入をガードすることが出来る最強のアイテムですよ」


「そうか。わざわざ可愛いらしいプリントの最強アイテムをありがとうナマエくん」


「べっべつにそれしか持ってなかったからそれを貼っただけでわざわざそれを選んだわけじゃないですよ!」


「ふむ、そうなのか。しかしナマエくんの指に巻いている絆創膏は無地なのだな」


「なっ…!昨日貼ったんですよ!!
すっすいません先生に呼ばれていたのを忘れていました!失礼します!!」


「ナマエくんは忙しいな」



* * *


「やあ、また会ったなナマエくん」


「先程は失礼しました…」


「いやいや」「てか手の絆創膏汗でべろんべろんじゃないですか。もう剥がして大丈夫だと思いますよ?」


「…………うむむ」


「?」


「上手く剥がせない。ナマエくん剥がしてまた新しいのを貼ってくれないか?」


「そうきましたか。
まあそれはいいとして、血はもう止まっていますしもう貼らなくても大丈夫ですよ?」


「…念の為だ」


「そうですか」




ダブル天の邪鬼



「(可愛いのを選んで貼ったんですよ、って言えればいいのに…)」


「(ナマエくんの絆創膏を貼っておきたいと言えればいいのだがな…)」




*20111011


 
 
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