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「ねえクルーク!クルークって猫好き?」


「いきなり何なんだい…アミティ、キミが珍しく図書室に来たと思ったら獣なんか連れてきて」


「クルークって知的でスマートでしなやかだから猫と相性抜群だと思うよ。ひとつ抱っこしてみない?」



「ナマエ……キミもかい?
はあ…僕自身忙しいから猫の面倒なんかしている暇なんてないんだけど」


「うーん、外れだねナマエ」

「クルークならしっかりしてるから安心して任せられるんだけどね」


いつもなら静かに過ぎていくはずの図書室の時間は騒がしさしか感じなかった。
何故なら、静かに読書に勤しむ僕を小さくみいみいと鳴く三毛色の毛玉を抱えたナマエとアミティが絡んできたのだから。


「みんなには聞いたの?僕以外にも飼ってくれそうな奴くらい何人かいるだろ」



「うーん、それがね…」

「何だかんだ言って駄目だったんだよね」


「僕が頼みの綱だったってわけか」


「ねえクルーク、きっと飼ったら可愛くてしょうがなくなっちゃうと思うよ!」


「餌代とかは私たちも出来るだけ負担するから……駄目かな?」


みゅうみゅうと悲しげに鳴く猫とアミティとナマエはみな同じ顔をしているように見えた。
まったく……僕を何だと思ってるんだろうね。
経験上だとこのままアミティとナマエは僕に猫を渡そうと粘るだろう。


「みんな駄目ならみんなで協力して外で飼えば?公園あたりがちょうどいいと思うよ」


「おおー!クルークあったまいいね!」


「アルルがいた公園だね、うんじゃあそうしょうか」


仕方ないから猫には少し屋外にでてもらうことにした。
まあこれなら共同で面倒をみるという名目で1人で責任を負うこともないしまずまずだろう。


「しっかしこの猫何処で拾ってきたんだ?あんまり見ない種類の猫だね」


「木から降りれなくなってたところを助けたら懐かれちゃってね」


「子猫だしナマエが猫にとってお母さんみたいなものなんだね!」


「ふーんナマエがお母さん、ねぇ……」


「じゃあ住む場所を決めてくれたクルークはお父さんだね」


「っ?!」


「あ!それいいね!
ナマエとクルークの子だったらきっといい子に育つよ!」


「な、何言ってるんだ!猫が子供なんてヘンなこと…!」


「あれー?もしかしてクルークお父さんに照れてる?」


「煩いな!違う!」


「ほーら、猫ちゃん私がお母さんであっちの眼鏡かけてるのがお父さんですよー」


「うーん、猫だと寂しいから名前が欲しいね」


「明日クルークお父さんと公園で考えるよ」



「ナマエ!クルークお父さんってやめろ!」



ナマエがお母さんで僕がお父さんだと要するにナマエと僕は………!
ああもういちいちお父さんって連呼するなよ、アミティも何を勘違いしたか知らないけど僕はお父さんと呼ばれるのを恥ずかしがってるわけじゃない。


猫は僕とナマエを交互に見てから元気よくにゃあんと鳴いた。


にゃんと素敵なcat*day


*2012/02/22
猫の日



 
 
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