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「数学のこことここ、聞きたいんだけど良いかな?」


「ナマエの頼みとあれば一肌でも二肌でも脱ぎますよ!」


「えっ、ちょっりんごちゃん!部費についての話がまだ…
あと二肌も脱いだら皮下組織以下で大変なことに…★」


「ナマエが困っているというのに、手も貸さずに部活に目を向けているなんてそんなの出来ないんだよまぐろくん!

部費だったら今年壊れた実験器具の個数と補修出来るようなら補修代、使えないなら代替代を出しておいて、あと去年の部費と壊れた実験器具の個数て照らし合わせて部費が去年と同じ金額で足りるかどうか出しておけば大丈夫だと思うよ!」


「わあ、一息で言い切った…」

「さあ、やりますかナマエ。まぐろくん、これで大丈夫だよね?」


「あ、うん……(りんごちゃんの笑顔が純粋にコワい★)」




**


「そしてマイナスを掛けてXについたマイナスを消して不等号の向きを逆にすれば値を出す前の準備はカンペキになります」

「だめだ…準備の時点で出来てないんだよ…」「大丈夫、何回も練習すればきっと出来るようになるよ」


「うん、そうだよね。
……ごめん、じゃあさっきのメモしたいからもう一回教えて貰えるかな…」


数学の苦手なナマエに数学を教えてあげるのは私、安藤りんごの特権なんです。
まぐろくんから然るべき対応をし、譲ってもらったこの権利はとても大きい。
メモをしたいからもう1回、と恥ずかしそうにこちらを見るナマエ。
出来なくて恥ずかしがるなんて見ていてとても楽しい。

「わかりました。もう1度ゆっくり分かりやすく解説しましょう!」


「ありがとう!」






「…フラスコ12個、ビーカー7個で合計金額は個数の金額が出てないから後で出して……」


「やあ、まぐろくん。皆で数学の勉強かね?」


「こっちは部費計算…いわゆる作業中で、あっちは数学講座でお楽しみ中です…」


「ふむ?ナマエくんに数学を教えるのはまぐろくんではなかったか?」


「むしりとられ…譲りました★」

……りんごちゃんが最近コワいです★


*20111214

 
 
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