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「……zzz」

「おーい、シグ、シグ」


授業中に目を開けたまま寝るという離れ技を持つ少年シグは私のお隣さんである。
授業中に寝たらあとあとついていけなくなっちゃうと起こしてはいるけれど、なかなか起きない上になかなか改善されないのである。
困ったさんだこと。


「アコール先生怒ると怖いよ?」


「んー…」


「おーい」

揺さぶっても起きない。
本当にそろそろマズいぞ?…


あっ……


「シグくん、授業中に寝てはいけませんよ?」


先生が笑顔でシグの前に立っていた。
ポポイがナマエが揺さぶっても起きにゃいにゃんて爆睡中にゃんだにゃ?授業中にけしからん奴にゃ、とか何とか言っている。


「………ん」
あ、やっと起きた。


「シグくん、今日の放課後残りましょうね」

「うーへー……」



あーあ、居残りプリントはけっこうキッツいらしいぞ。その前クルークがひぃひぃ言いながら終わらせてたし。
まあ寝てたんだし仕様がないか。これで少しは懲りるかな。
ぺし、ぺしぺし


「…ん?」

今何か当たったな。
小さい何かが、ゴミかな。

「…何なんだ?」

シグの方に視線を移すとちょうど消しゴムをちぎっているところだった。

「何してんの?」

「ナマエに消しゴムぶつけてた」

「何で」

「えい」

「ちょっやめ」

「えい」

「あっちょっ、服の中に入った」

「えい」

「もういいかげんにしろー!!」


「ナマエさん?」

「今は授業中だにゃ、何を騒いでいるのにゃ」

「うふふ、ナマエさん?」

「え…いや、あのその…」

「ナマエさんも放課後残って下さいね」

「……はい」


皆の視線を浴びつつゆっくり座る。
原因である隣の奴はあのアンテナをぴこぴこさせて楽しそうにしている。
うう…巻き込まれた…


「何してくれるのさ…」

「ナマエといたかったから」

「シグ……」



放課後もいっしょ。


「1人で残りたくなかっただけだよね?」

「…Zzzz」

「寝たふりするなー!!」



まんまとのせられた。
かっこいいと思った私がばかだった。


*20111023


 
 
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