眠い…と欠伸を噛み殺した委員会の最中、#ナマエ#はふと借り物を返し忘れたことに気がついてうわぁと若干気を落とした。クラスメイトから先週借りたDVDを昨日返しそびれ、今日こそはと思っていた矢先、放課後は月一の定例会が入っていたことがすっかり頭から抜けていたことに付随して報告のまとめと慌ただしすぎて、いまのいま思い出してしまった。
 仕方ない、部活先にまで顔を出しに行って返すしかないかと思案して、そういえばと思い出したように三年の座る席側へと視線を向けた。報告書に目を落とす彼は、確かクラスメイトと同じ部活でキャプテンを務めていたはずだ。名前は…なんと言っただろうか。もう一人のクラスメイトは「キャプテン」と呼んでいるから名前を聞いたことはない。図々しいが彼に頼んで返してもらおうかなとも思った#ナマエ#だったが、思うだけで実行することはできないことは重々承知していた。
「他、質問や疑問点がなければ終わりにするぞー」と担任もとい委員会顧問の声がかかり誰も口を開くことはなく「なにもないみたいだから解散なー、お疲れさん」「お疲れ様でしたー」と各々が挨拶を口にして席を立つ。

月に二回、風紀委員の服装検査というものが朝八時過ぎの登校時間に行われる。






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