真凛 (2/3)
その顔は狡い

「へえー知らないのか、橘。うちの寮生はみんな共同で風呂を使ってんぞ」

同じクラスの男子生徒がぽつりと漏らした一言に、俺はひどく恐ろしくなった。俺の凛が、危ない。

「はァ?風呂に入んなって…お前バカだろ」
「だって……凛が、その…」
「……よくわかんねえけど、いらねえ心配だ。つうかここ、間違ってる」
「えっ!?そんなぁ…また一からか……」
「余計なことに頭を使ってるからだ、バーカ」

にやにや笑う凛は可愛い、とっても。今も英語ができない俺に、得意である彼が教えてくれるのだけど……。
こう、黒いパーカーから覗く白いきめ細かな肌とか、ふわふわしてる赤い髪とかが俺の集中を妨げる。

「……おい、真琴?」
「っ、あ…ごめん、ぼーっとしてて」
「ったく、俺が教えてやってんだから、少しはできるようになれよ。確かにここは難しいけどな。……休憩、するか」

息を吐いて凛が立ち上がろうとしたのを、腕を引っ張って邪魔をした。必然的に彼はこちらに引き寄せられ、俺の懐に収まった。
彼は突然の出来事に目をぱちくりさせていたけど、状況を飲み込んだらしく抵抗を始めた。

「はな、せって…!」
「……離さない」
「真琴…お前おかしいぞ、今日。変な勘繰りしてくるし、集中力はねえし」
「凛が…悪いんだよ。こんな露出が激しいのを着て……」
「っひ!やっ、やめろって……!まこ、っふ、」

剥き出しの肩に噛みつけば、手負いの獣のようにふうふうと荒い息になる。凛の肌は、甘くてもっと欲しくなる。
べろりと舐めれば小刻みに震えてこちらの期待に応えてくれる。嫌がってたけど、案外いいんじゃないの、凛。

「ちがッ…、あ、ダメ…真琴、そこは……んっ!」
「ねえ、余計だとか無駄だとか言ってたけど、そんなのまやかしだよ。俺の凛はえっちで可愛いから、誰かに狙われちゃう」
「そ、んな、こと…ッ、や、ぐりぐりすんなァ…!」

ちょっと身体に触ったらすぐに興奮しちゃう悪いクセだね、凛。ズボンの盛り上がっているところを虐めたら、面白いくらいに欲情した声を漏らす。
凛、凛、俺は大好きだよ。お前が不必要だと言い張っても、否定し続けるから。
だって君がこんなにもいとおしくて、大切なものだから。

「は、真琴…もう、いいから……」
「いいの?やめちゃって」
「あぁ!だから…うし、ろ……慣らせよ」
「ふふ、大好き」
「……うぜえ」

後ろから抱き抱えるようにしていた態勢を止めて、凛をうつ伏せにして床に寝かせる。
彼のズボンとパンツも一緒に脱がせてあげる。あ、今日は緑なんだ。珍しい。
現れた綺麗なお尻は鳥肌が立っていた。肉を押し上げるように揉むと、こちらを向いて凛が怒った。

「真琴っ、さっさとやれよ!」
「凛のお尻、気持ちいいから。もうちょっと」
「…くそ、もういい」

凛は自分の指を口に含んだ。唾液にまみれた指を尻の方に持ってきて、まだ濡れていない穴に擦り付けた。
まるで自慰みたい。そう口走ってしまって、真っ赤な耳の彼が大きく舌打ちをした。ごめんって。
そのお詫びとして俺も手伝ってあげよう。彼の先走りを手に取って、ぬちぬちと擦り付けていく。
次第に解れてきてようやく人差し指が入った。ゆっくりゆっくり進めていくうちに、しこりを見つけた。迷わず押し潰した。

「〜〜〜っ!!ま、こと…ッ!やめろ、って、あ!」
「中指も入れてみよっか。ここぐちゃぐちゃだし」
「や、はぁ、まことぉ…!まだだめ、やぁ、あァ!!」
「ここ好きだもんね、凛。美味しそうにくわえてる」
「まことッ…も、イく……っ!」

円を描くように指を回したら、とろとろと白く濁った液体が出てきた。それも滑潤液として利用しようか。
まだ完全に解れてはいないけど、もう凛も俺も限界だった。いきり立ったそれをぐちゃぐちゃに蕩けたそこに挿入した。

「ッああ゙…!いってえ……いてえだろバカまこ!」
「は、ごめん、凛。もう余裕ないから…ね」
「くぁ、あっ!や、あ、っ!まこと、まこと!」

強すぎる快楽に凛はぽろぽろと涙を溢していた。それを舐めとる。幸せの味がした。

「ふっ、んん…」
「凛のその顔……狡い」
「なに、が…」

何でもない。そう言って俺はラストスパートに向けてまた腰を振る。凛は言葉にならないくらいに喘いで、毎回のように快楽には弱いなあと思うのだ。

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