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▽追記>>揺れ動く瞳 (2013/12/16)
今日に限って部活が入ってしまった。終わったのが午後7時半すぎ、いつもより遅かったのは似鳥のタイムを計っていたからだ。
急いでシャワーを浴びて、夕食にありつく。外出が許されるのは9時までだから、慌てて財布とプレゼントを握って外に出た。

『なあハル、怜ならどれがいいと……って水着コーナーに行くな!』
『…怜なら、毎日走ってくる。だから防寒具はいらないと思うけど』
『マジかよ……』
『……でも、これなら邪魔にならないと思う』

そう言ってハルがネックウォーマーを指差した。赤と紫のラインが入ってて、まるで俺と怜の競泳用の水着と同じだ。
少し恥ずかしくなって、窓の外の景色に目を遣る。
怜、喜んでくれるだろうか。
不安で揺れる目を見ないようにするのが精一杯だった。だから、怜がとても喜んでいる様子を見て、少しだが涙腺が緩んだ。

「泣かないで…凛さん」
「だっ、て…!俺のこと、もう嫌いになったんじゃないかって…」
「なりませんよ」
「怜、れい…っ!」

今まで怖かった。告白されたときも、あのリレーに対する憎しみは、消えてないんじゃないかと思ってたから。
今日で全てが許されたような気がして、俺はボロボロと情けなく涙を流す。

「大好きです、凛さん」
「俺も……大好き」

揺れ動く瞳はもう何処かに消えていた。


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