微暖湯 | ナノ

計画的犯行のようです。



リボーンさんは何歳なのか分からないけれどかっこいい大人な方です。ミステリアスな雰囲気醸し出してるなーと思ったら笑顔で沢田さんに銃口を向けるしエスプレッソ飲んでるし、どんな人なのか定まらないのです。接点のないリボーンさんとは会話の機会も他の人に比べるとないに等しいです。だから、未だに性格が掴めていない。

「歩」
「沢田さん…と、リボーンさん」
「…ああ リボーンのことは気にしないで、勝手について来ただけだから」
「リボーンさんって沢田さんのこと好きなんですか…」
「撃つぞ」
「冗談ですよ」

なんだ冗談通じないタイプの人か…。友達になれるかと思ったけど難しそうだな。少し残念、嘘だけど。あからさまにリボーンさんを警戒しながら沢田さんを見ると苦笑いをいただいた。沢田さんって笑顔がデフォだけど笑顔に種類がいっぱいあるよね。それで何用でしょうか、首を傾げると清々しい笑顔でデートしようか、と言ってきた。うん、多分幻聴。

「デートしようか」
「…、気のせいですかね 耳が遠くなったみたいです」
「ねえ、デート」
「ひぃい!?」

耳元に寄ってきて色っぽい声を出した沢田さんはきっと私の反応を見て楽しんでいるのだろう、そうなのだろう。しかし私はそこまで完璧人間じゃないので感情を消すとか無理ですし。ていうかなんで急にデートなのか意味不明ですよ。今日はエイプリルフールでもハロウィンでも沢田さんの誕生日でもないはず。

「敵のボスが恋人連れて並盛を歩き回ってるんだって 危ないし、雲雀さんに見つかる前にどうにかしたほうが良いかなって」
「それでなんでデートなんですか」
「ん?相手が女連れなのに俺が一人とかありえない」
「京子さんがいるじゃないですか…!」
「…歩の方が良いよ」
「えっ …ああ、京子さん可愛すぎて敵に集中できないと」
「そんなこと言ってない」

どうせ私はちんちくりんですよーだ。拗ねたように沢田さんを軽くパンチ。いや、別にどうでもいいんだけどね。沢田さんはいつも通りの笑顔で優しく私の頭を撫でた。そうやって子供扱いされる方が嫌なんですけど。口を尖らせてちょっと反抗。でもやっぱり困ったように笑われただけだった。

「…しょうがないですね 付き合ってあげても良いですよ」
「本当?じゃあ着替えてこないと 歩も可愛くしてて あ、いつも可愛いからそのままでも良いよ」
「沢田さんってタラシですか 見劣りしないように頑張ります」
「じゃあ11時に玄関で」
「はーい」

沢田さんと出かけるのは久しぶりだから少し楽しみ。言わないけど。