微暖湯 | ナノ

なにそれおいしいの。



朝パッチリと目が醒めてベッドから飛び下りた。結局お菓子は一口クッキーとチョコレートにした。簡単おいしい!みたいな、ね。談話室にはもう何人か話している人がいた。

「キッチンお借りできますか?」
「お、良いぜ 味見ならいくらでもするからな」
「ありがとうございます」

ちょうど朝食を作り終わったところなのかまだ散らかっているシンク内の洗い物を素早く片付けて、必要な材料を色々な所から見つけだした。ほら、お金持ってないしお店の場所も分からないし。全ての材料が揃ったことに少し驚きつつ、レッツクッキング!

はい完成。3分クッキングではないですよ、1時間と33分クッキングです。オーブンからクッキーを取り出してケーキクーラーの上に乗せ、冷蔵庫の中のチョコの様子をみたあと部屋に戻った。ちなみに片付けは焼いている間に終わらせてますよ。

「あ、スパナさんおはようございます」
「おはよう 作ったの?」
「はい あとは冷めるの待つだけです 一つ食べますか?」
「食べる」
「ん、じゃあ後であげますねっ」

頭を撫でてもらいスパナさんと分かれた。やっぱり好きだなスパナさん。
ひきだしに入っていた便箋を勝手に使いディーノさんへ短いお手軽を書いた。えーっと、「ブレスレット本当にありがとうございます。すごく嬉しかったです。大切にしますね。」で良いかな。良いよね。2行しか埋まらなかった便箋を封筒に入れ、封筒の表には丁寧に"ディーノさんへ"と書いた。そういえば"へ"に点々付けると死んだ人に書く手紙になるらしい。小学生の時はみんな死んでいたんだな、なんて。

「…あ、袋ない ラッピング…」

さすがにラッピングの道具までアジトにないだろう。…街に行くか。一応スパナさんとディーノさんに声をかけようと、談話室へ向かった。スパナさんはいたけれどディーノさんはまだ寝ているらしい。

「ちょっと街出てきます お菓子入れる袋買いに」
「…一緒に行く」
「え、でも」
「ダメ…?」
「大歓迎ですお願いします」

上目遣いは女子だけの特権ではないのですよ男性諸君。男の人の上目遣いとか凶器だから、かっこいい人は何やっても外れなくて良いですね!私なんて…女子なのに…。疲れているディーノさんを起こすのは悪いので部下の方達に伝言を頼み、少しのお金を持ってアジトを出た。街までは車で送ってくれるらしい。ボンゴレで慣れていなかったら丁重にお断りするところだったよ。