微暖湯 | ナノ

お菓子=駄菓子。



スパナさんに昔話を聞かせてしまった。過去の話は沢田さんにしかしてないのにな。スパナさんはやっぱり特別だからか、話すことに何の抵抗もなかった。スパナさんなら同情しないでくれるって分かってるからかな。家族がいなくてもみんながいるから寂しくないんだよって、それが一番重要なの。同情なんかされても嬉しくないから、そんなことするくらいなら私と仲良くなって。今までずっとそう思ってた。

「スパナさん蒲焼き屋さん食べます?」
「酢だこ食べたい」
「はーい」

新しいお茶を入れて駄菓子を漁る。私はガムと飴が好きなんだけどそれだけ食べててもいっこうに量が減らないことに気づいたから大物から食べていくことにした。キャベツ太郎も開けちゃおうか。

「駄菓子は味が濃いですよね」
「んん だからおいしい」
「ですね」
「歩、ゼリーまだ残ってるよ 食べる?」
「あ、食べたいです ラムネ食べますか?」
「ん 皿に出すか」
「そうですね 色々広げましょう」

もぐもぐと常に何かを口に入れながら次に食べるものを探しつづけた。早いようでゆっくりとした時間が流れる。やっぱりスパナさんは良いな。こんなに日本を好きな人日本人でもいないんじゃないか。あ、今の日本じゃなくて少し懐かしいくらいの日本ね。今は洋風が多いからなあ。和風も忘れないでほしいんだけどなあ。障子とか大好きだよ。畳の匂いも最高だし、床の間なんて何あの素晴らしさ。おじいちゃんの家が大事なのは和風家屋だからって理由も少し入っているけれどそれは内緒にしておこう。

「お前ら楽しそうだな…」
「あっ、おかえりなさいディーノさん」
「お疲れ」

二人でほとんどのお菓子を食べ尽くした頃にディーノさんが帰ってきた。残っていたコーラガムを渡すと少し驚き、すぐに満面の笑みを浮かべてくれた。ディーノさんも駄菓子が好きだったようなので残りのお菓子を3人でのんびり食べ始めた。キャバッローネファミリーの皆さんも各々仕事を終わらせた人から談話室に集まり始め、いつの間にか夕ごはんも運ばれてきてそのまま食事になった。いつもみたいに笑顔の皆さんに、ボンゴレは良いファミリーと同盟だなと改めて感じた。

「明日街にでも連れて行ってやろうか?」
「行きたいです!アクセサリーとか小物売ってるお店ありますか?」
「歩が好きそうな店探しておいたから安心しろ」
「ディーノさん大好きっ」

本当にお兄ちゃんになってくれませんか。