すきっぷ | ナノ

にー



「第二回子供会議!」
「またやるのかい?」
「だってこの前しりとりしかしてないし」
「今日は何するんですか?」
「くだらねーことだったら帰る」
「帰ったらダメだよベル 今日はー…なにしたい?」
「決めてないのかよ」
「じゃあ帰って良い?」
「だめ!マモくんも何やるか考えて!」
「あ、じゃあ夏ですし怪談話でもしますか」
「…や、怪談とか、つまんないし、やめておこうよ」
「…ああ、良いな怪談 あちぃし」
「うん 僕も賛成」
「満場一致ですね」
「どこが!?」
「文句あるワケ?」
「文句しかない!やめようよ!なんか出るから!」
「なんも出ねえし」
「冷房いらずでルッスーリアが喜ぶよ」
「わあ電気代が浮く、じゃないよ!そんなのボスがどうにかしてくれるもん!」
「人任せにすんなよ 一番手誰?」
「あ、じゃあミーが」
「やーだー!泣くよ!?」
「泣かないで」
「片口上げながら言うのやめてよマモくん!」
「それは去年のことでした…いつも通りの楽しいクリスマス会、に、なるはずだったのです」
「や、やだ…その雰囲気やだよお…」
「全員で机を囲みケーキに手を伸ばしたとき…ミーはおかしなことに気がつきました」
「ケーキあったっけ?」
「君がルッスーリアに頼んだんだろ オペラとかいうチョコケーキ」
「あ、思い出した うまかった」
「やだ…もう帰りたい…」
「ふと見た扉が、ほんの少し開いていたんです…」
「マーモンじゃなくて?」
「僕は悪戯なんかしないよ」
「ねえマモくん、やったって言ってよ…」
「僕は悪戯なんかしないよ」
「そしたらそこには……!…見知らぬ女の子が、笑いながら立っていました」
「きゃああああああああああああああああ」
「うるせえ!」
「よくこんなことで悲鳴を上げられるね」
「ひよりさん面白いからミーはもう終わりで良いです 次はー?」
「僕は良いネタがないからベルに頼むよ」
「はいよ」
「いい…もう怖いの良いから…」
「じゃあ俺が城にいた時の話な まだクソ執事とかクソ親父とかクソ兄貴がいた時の話」
「そのクソ兄貴はまだいますけどね あいつイライラしますー、顔踏み潰してやりたい」
「やれ んで暇だったから肝試ししようぜーってことで家の墓行って」
「家の墓ってなに家のって 家に墓あるの一族の墓なの」
「怖いからってぐだぐだ言ってもダメだよ」
「俺が脅かす役でアイツが回る役だったんだ どうせなら泣かせてやろうと思ってさ 色々しかけして回った」
「うっわ さすがベル先輩」
「うっせ で、最後のゴール地点で泣いてるところ見てやろうと思って待機してたらさ、なんか霧みたいなの出てきて」
「ダメだもうフラグしか立ってない いますぐ折りたい」
「なんだろって思ったけどまあ別に良いかーみたいに気にしないでおいたら、気づいたら目の前すら見えない真っ白になってた」
「意味わかんないん意味わかんないん意味わかんないん」
「あ、これはヤベーって思ったからとりあえず気配読みながらそこらじゅうにナイフ投げてた」
「こんな子供がいていいんですかー?」
「幽霊すら斬るつもりなのかいベルは…」
「どうにかなるかなって」
「どうにもならないよ幽霊はもう死んでるんだから…!」
「あー…で、続き言って良い?」
「言わないで!」
「俺、見ちゃったんだ……」
「待て言うな止めろ、バカ黙れ!」
「…じゃあ言うのやーめよ」
「あーあ、ひよりさんは幽霊がどんなものか知らずにいるんですね 霧の中に一人のときはどんな幽霊が出るか分からずにびくびく怯えるんですね」
「じゃあ僕にだけ教えてよ、興味ある」
「あ、ミーも」
「ならひよりはここで待ってろ 外で話してくるから」
「え…一人はやだ…」
「「「……」」」
「い、言って良いよ…だからここいて…」
「ひよりさんぎゅー」
「ほらいい子いい子」
「手繋いでやるから」
「なに、急に…」
「気づいたら目の前に白塗りで目のところだけに真っ黒の穴があいたやつがいた」
「やぁああああああああああああああああ」
「ぎゅうう」
「よしよし」
「ししし ひよりかーわい」
「も、もう怪談話とか一生しない…」



「俺、見ちゃったんだ……」
「待て言うな止めろ、バカ黙れ!」


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