丸井



「ぶたブタ豚ー」
「不吉な歌歌うな」
「ねえ丸井、豚って綺麗好きらしいよ …良かったね!」
「なにが ねえなにが」
「ショッキングピンク通り越して赤い豚がいるよ」
「そろそろ殴るぞ」
「ジャッカルが!」
「って俺かよ!?」
「あ、ジャッカルいたの?おはよ」
「おおジャッカル いつの間にそこに?はよ」
「…おはよう」

一緒に登校してきたつもりだったんだがな。こいつらには何言っても無駄だからなるべく話に入っていかないようにしてるんだ。でも自分の名前まですることはできないし、そんくらい許してくれ。
端から見たらいつも一緒にいるこいつらだけど、実際は知り合って2ヶ月くらいしか経ってないしお互い名字呼び。本当にただふざけ合ってるだけの関係みたいだ。…これは、仁王からの目線。
俺からしたらいつでも二人の世界に入って行ってそこだとどんな彼氏彼女にも負けないラブラブっぷりになると思う。知り合って2秒で意気投合したやつらが2ヶ月一緒で好きにならないわけがないじゃねえか。

「丸井ー今日も遊びに行って良い?」
「おう!弟達も喜ぶぜ」
「丸井の弟めっちゃ可愛い!やばいよあの子達!」
「俺の弟だからな」
「はいはい」
「切り替え早っ」
「それが私の良いところ」
「黙っとけ あーお腹空いた」
「あっ私ポッキー」
「くれ!」
「…の空き箱持ってるよ はいあげる」
「ゴミじゃねえかよ!!」
「はやとちりはダメだよー」
「お前が空き箱持ってる宣言した意味について問いたい」
「予想通り引っ掛かったな」
「くっ…!やはりお前には勝てないのか… なんとか、なんとか倒さないと…!!」
「はっはっはっ 私がそう簡単にやられると思っているのか」

俺はその場にブン太達を置いて教室に行った。やっぱり仁王の考えがあってるのかもな。
通り掛かった幸村が腹を抱えて笑っていた。

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