小咄log

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こいつはいつも、季節を運んでやってくる。

春には桜を

夏には向日葵を

秋には金木犀を

そして冬には椿を


どこでつけてくるのか知らないが、香水の人工的な匂いに隠れて僅かな花の香りがいつも鼻を掠める。
香水なんかつけなくてもいいのに、と毎度そう思う。
それを本人に言ったこともあった。
そうしたら「女心のわからない人ですね」と一蹴された。
そりゃ女じゃねーからわかるわけねーよ。
揚げ足を取ると飛び蹴りが飛んできた。



そんな何気ない毎日

銀時×妙

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「神楽お前あれだろ…明日そのー…誕生日だろ?」

「そうアル!これでまた一歩大人の女に近付いたネ!」

「あっそう…まあ…あれだそのー…ほら…しょーがねーから明日ぐらいはどっかで飯でも
「あ!明日は出掛けるからご飯私の分は作んなくていいヨ。よかったな楽できて」

「…聞いてないんだけど」

「ちょっとやぼ用アル」

「なんだよやぼ用って、まさか男
「定春ー散歩行くヨー」

「おいちょっと待」

「そーいや銀ちゃん明日がどーとか言ってなかったアルか?」

「………なんでもねーよ」



父娘

銀時+神楽

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※"嘘だといってよマイハニー"と微妙に繋がってます

「妙が死んだんだって」

「……そうですか」

「あーあ、やっぱり妙も地球人だったってことか。すごく強いから二代目も期待してたのになあ」

「団長」

「なに?」

「それ、拭いてください」

「あり?なんだこれ?」

「涙ってやつじゃないですか」

「涙?俺が?ねぇ阿武兎、俺いまどんな顔してる?」

「…いつもと変わらず笑ってますよ」

「あはは笑いながら涙なんて滑稽だな」

「そうですね。俺は見てて痛々しいですがね」

「俺も弱くなったもんだなあ」

「明日、墓参りにでも行きますか?」

「うーん……うん、そうだね」



もう君に会えないのが弱さの理由

(銀妙)←神威+阿武兎

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(↓続き)
「あらこんにちは。また仕事もなくぶらぶらしてたかりに来たんですか?」

「お前ね、もうちょっと可愛いこと言えないの?」

「へぇーこの人がお侍サンの女か。お侍サンの子供ならきっと強いよね。早く産んでね」

「だってよ。とりあえず一発ヤっとく?」

「やだぁもー銀さんったらぁー」

「ぶへ!! 言い方可愛いけどやってること鬼だからね!とりあえず拳をしまおう!」

「すごいすごい。君強いね。君とお侍サンならきっとすごい強い子が産まれるんだろうなあ。いつ作るの?」

「…銀さんなんなんですかこのセクハラ製造マシーンは。初対面の乙女に向かって子を産むだの作るだの」

「あー…神楽のお兄様だよ」

「まぁ神楽ちゃんの?いやだ私ったら失礼を。何もないですけど、どうぞ上がってくださいな。お茶ぐらいお出ししますよ」

「助かるよ。ちょうど喉渇いてたんだよね」

「変わり身早ぇなおい。てゆーか俺は放置プレイですか」

「銀さんも上がるなら早く上がってください。玄関閉めますよ」

「あれ?なんか扱い酷くない?」

「あはは。嫌われてるんだねお侍サン」

「愛情の裏返しだバカヤロー」

「でもこれじゃ強い子が産まれるのがいつになるかわからないな…そうだ、じゃあ君、俺の子を産まない?」

「は?」

「そうだそうしようよ。俺と君ならきっと宇宙で一番強い子が産まれるよ」

「おいちょっと待て、てめぇなに勝手に」

「残念ですけど私強い子供とかいりませんし、そんな理由で子は産みません」

「えーじゃあなんの為に産むの?」

「そうねぇ…一番大切な人の側にいれば自然に欲しいと思うものなんじゃないかしら」

「ふーん。じゃあ俺がその一番大切な人になればいいのか」

「お前さっきから黙って聞いてりゃ!おいコラ腰に手を回すな!」

「離してください」

「いてて。力も強いんだね」

「オネーサン、俺には顔面グーかましといてなんでそいつはつねるだけ?」

「だって神楽ちゃんのお兄さんでしょう」

「俺は神楽の身内以下?」

「ふふ、馬鹿言ってないで早く上がってください。美味しいお団子仕入れたんです」

「………それを早く言えよ」

「俺のもある?」

「もちろんですよ」

「ちょっとさ、お前さ、もう帰ってくんない?空気読めよ空気」

「地球ではまずオトモダチからだって聞いたんだ。だからこれから毎日お茶を飲みにくるね」

「え?毎日邪魔しにくんの?」



歪な三角

銀時×妙←神威

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「やぁお侍サン」

「……何してんだ、とうとう殺しにきたか?」

「今日は仕事でね。つまんないから部下に任せてぶらついてたら君が見えたからさ」

「悪いけど全力で逃げるからね俺」

「お侍サンはどこ行くの?」

「関係ねぇだろ」

「いいじゃん。女?」

「………違ぇよ」

「あはは女か。わかりやすいね」

「うるせーな。ガキは帰ってクソして寝ろ」



行く先は、あの娘

銀時(妙)+神威

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「あなた笑えたんですね。驚いたわ笑顔なんて見たことないから」

「えー?俺いつも笑ってるよ」

「嘘をいいなさい。私一度も見たことないわ」

「そうだっけ?妙にはいつも満面の笑みのはずだけど」

「鏡をご覧なさい。今だってにこりともしてませんよ」

「あれー?おかしいな、心ではいっぱい笑ってるんだけど」

「私には笑えないってことですか」

「自分では笑ってるつもりだけど、もし理由があるとしたら一つだけだな」

「まともな理由なんでしょうね?」

「君を愛してるからだよ」

「……それ普通、逆なんじゃないですか」

「俺は逆でいいの。だって妙にだけだもん」

「そうですか」

「ねーねー妙ー」

「何ですか?」

「顔真っ赤」

「うるさい!」



可愛い君

神威×妙

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「姐御は、銀ちゃんも新八も私も、こんなケガして帰ってきたのに、何も聞かないアルか?」

「…神楽ちゃんはお兄ちゃんと会ったんですってね」

「…銀ちゃんから聞いたアルか」

「えぇ、でも教えてくれたのはこれだけよ。久しぶりに会えたんでしょう?よかったわね」

「あんまり……よくなかったネ」

「あら、どうして?」

「あいつは、私がどうにかしなきゃいけないのに…」

「………神楽ちゃんは、本当に優しいのね」

そう言われてばっと見た姐御の顔とその言葉だけで、自分が考えてること全て見透かされてるんだと思った。
心の表面から、中から、奥底から、いろんなものを掬われて、それを見てわかって自分を優しいと言ってくれた。

「姐御、大好きアル」

「私も神楽ちゃん大好き」

姐御に撫でられて、今より小さい頃によく撫でてくれたマミーの手を思い出した。



妙+神楽

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いつも私ばかり負けてる気がする。だからちょっとした仕返しのつもりだった。

「何してたの?」

「…見てたならわかるでしょう」

「わかるでしょうって、お前ね」

「先生だってこの間、猿飛さんを原付きの後ろ乗せてたじゃない、いやらしい」

「いやらしいって…お前それ俺に理由聞いたっけ?」

「聞いてません。けどどうせいやらしい事を考えていたんでしょ」

「あれは、あいつあん時顔真っ青だったんだよ。仮病じゃねーぞ。んでどうしてもって言うしよー、さすがに俺もそこまで鬼じゃないし?」

「言い訳にしか聞こえません。どうせいつもみたいに迫られて、流されたんでしょう」

「そんなに腹が立ったなら殴りゃあよかったじゃん。いつもみてーによ」

「…」

「それをよー、あの男誰?」

「街で声を掛けられたんです」

「ナンパかよ…志村ナンパとかのっちゃうんだ」

「先生だって同じようなことしてるじゃないですか。いつも私ばっかり」

「妙」

「……なんですか」

「俺ら別に勝負事してるわけじゃねーんだぞ」

「………」

「んなもんにこだわって、はいさよならなんてのはごめんだからな」

「……」

「そんなもん俺がいくらでも負けてやらあ」

「…」

「だから、もうあんなことすんな」

「…すいません」

「それともうちょっと俺のこと信じてくれてもいいんじゃない?」

「……さっきの嘘です。ただ先生が猿飛さんを後ろに乗せてるところなんて初めて見たから…」

「おま……可愛すぎ」

(結局また私の負けだわ)

手を引かれて甘い匂いと少しの煙草の匂いに包まれて、懲りずにそんなことを考えてしまう私はやっぱりこの人にはまだ勝てそうにない



(3Z)銀八×妙

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「もし貴方が私の大切な人達の命を脅かすような存在になるのならその時は…」

「その時は、どうすんだぁ?」

「私がこの手で殺します」

「そりゃあいい。お前に殺されてみるのもありだなぁ」

「冗談じゃないわ本気です」

「俺だって冗談じゃねぇ」

「…本心の掴めない人ですね」

「お前こそいつもヘラヘラしやがって何考えてるかわかりゃしねえ」

「…言いたいことはそれだけです。失礼します」

「妙ぇ。お前、俺を殺して、どうすんだぁ?」

「さっきも言ったようにそうゆう状況になったらです。…でも、そうね…もし殺したら、きっと泣くわ」

「世話ねぇな」

「一応、愛してますから」



ジレンマ

高杉×妙

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