▼ 6.痛みに誓う決意 (6/13)
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サスケの立ち回りに、サクラは目を見開いた。
すごい。
サスケは迷いなく突然の奇襲に対応し、しかも敵を圧倒している。
カカシがやられた同じ場面を目にしているはずなのに、どうして守りに入らないでいられるのだろう。
このままの調子でいけば、サスケがどうにかしてくれるかもしれない。
サクラがそう思ったのも束の間だった。
敵は、武器を切り捨て単身でサクラの方を狙ってきた。
く、来る…私がやらなきゃ、やらなきゃ――ッ!
「二人とも下がってェ!!」
サクラはタズナとソラを背後に押しやった。
そしてクナイを胸で構えるが、この後どうすればいい。
敵二人を相手に、二人をかばいながら戦うことができるだろうか。
クナイを投げたら、弾き返されるに決まっている。
むしろ弾かれたクナイが背後の二人に当たる可能性の方が大きい。
それならクナイで相手の打撃を受け止めれば――いいや、それも無理だ。
相手は二人だから、一人に構っているうちに、もう一人にやられてしまう。
逡巡している間に、割り込む影がある。
サスケだ。
サスケが、体勢を整え加勢にきた。
助っ人に安堵しながらも、まだ事態が好転したわけではない。
サクラに緊張が走る。
どちらがやられるか、生死をかけた瞬間。
それは思わぬ形で幕を閉じる。
「うおぁッ…」
敵の首に腕を回し、いとも簡単そうに行く手を阻んだのは他でもない、カカシだった。
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