▼ 6.痛みに誓う決意 (5/13)
***
――――来る!!
突然沸いて出てきた殺気。
サスケがとっさに振り向くと、ちょうどカカシが拘束されたところだった。
「な、なんだぁ!?」
一斉に背後に向き直り臨戦体勢に入る。
「一匹目ェ!」
二つのくぐもった声。
カカシに巻きついた鎖には刃がついていたらしい。
二方向から引っ張られたそれは、カカシの身体に食い込み、引きちぎる――。
目にも止まらない早業だった。
バラバラにされたカカシはいったん空中に分散した後、呆気なく地に落ちた。
「うわぁーー!!」
「カ、カカシ先生ー!」
目の当たりにした光景が飲み込めず、ワンテンポ遅れて状況を理解したサクラとナルトが絶叫する。
霧隠れの額当てをつけた二人は、こちらがフリーズしている間にも、よどみない動きで接近してくる。
そしてナルトはあっさり背後をとられた。
「二匹目」
敵襲に気がついていながら、体が固まって反応できていない。
これが実戦経験のなさが生んだ結果だ。
しかし同じ状況でもサスケは冷静だった。
身を屈めて体勢を整えてから、地面を蹴り上げ一気に空中へ。
上昇する最中に敵の的確な位置を捕らえると、手にしていた手裏剣を放った。
ナルトを襲おうと振りかぶっていた武器は見事手裏剣に動きを封じられ、近くの木に突き刺さる。
さらに追い討ちをかけるようにクナイを打ちこんだ。
「ん!?」
「ムッ!?」
すぐさま異変に気づき、しかしそれでもナルトへの攻撃を続けようとする二人。
勢いよく腕を振るが、思惑どおりにはいかなかった。
「外れぬ!!」
――こちとらそんなに甘く打ちこんじゃいねーんだよッ!
サスケは身動きが取れず戸惑った一瞬をつき、武器の装着でいかつくなった手の上に着地する。
「フン」
そのままそこに手をつくと、両足でそれぞれの顔に蹴りを入れた。
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