▼ 5.波の国へ超出発! (3/10)
「ナルト、お前には任務というものがどういうものか、説明しておく必要があるな」
火影がナルトに話しかける。
これには――違和感がない。
訝しがっているソラには目もくれず、火影は任務についての説明を始めた。
「いいか、里には毎日多くの依頼が舞い込んでくる。子守から暗殺までな。依頼リストには多種多様な依頼が記されておって、難易度が高い順に、A,B,C,Dとランク分けされておる。
里では大まかに分けてワシから順に上忍・中忍・下忍と能力的に分けてあって、依頼はワシたち上層部がその能力にあった忍者に任務として振り分ける。で、任務を成功させれば依頼主から報酬金が入ってくるというわけじゃ。
とは言ってもお前らは下忍になったばかり、Dランクがせいぜいいいとこじゃ」
異世界から来たソラでも分かるかみ砕いた話だったが、当の本人は聞く気すらなかったようだ。
「昨 日 の 昼 は ト ン コ ツ だ っ た か ら 、 今 日 は ミ ソ だ な」
火影に背を向け、頭の中は一足先に一楽までとんでいる。
「……聞けーいッ」
「ど、どうもすいません」
怒鳴る火影に、代わりに平謝りするカカシがかなり痛々しい。
出来損ないの生徒ほど可愛いとか言われるけれど、そんなこと言った日本人は相当無責任な奴に違いないとソラは思う。
だったらナルトを受け持ってみろと言いたい。
きっとその次の日には、職を失う。
「あーあ、そうやってじいちゃんはいつも説教ばっかりだ」
背を向けていたナルトが、ようやく火影に向き直った。
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