時空の死神 | ナノ


▼ 2.出会い-後編- (5/10)

保護及び監視の名目で、昼間は誰かと一緒にいなければならなかったソラは、初め第七班の任務に同行させてもらった。

忍者の仕事とはいえ、ナルトたちは下忍だ。
内容はただの草むしりだったため、ソラも手伝おうとした。
隣にいたナルトはあからさまに嫌な顔をした。
さすがに病室でやりあったような突っかかり方はしなかったが、ナルトの不機嫌アピールは止まらない。
それに伴い、負けん気の強いソラも表情が険しくなり、意地でも任務に参加すると宣言した。
そんな様子を見てカカシは溜め息をつき、サクラはサスケに助けを求めて離れていく。

結局ナルトは勝手にソラと張り合って、挙げ句、依頼人の大切に育てていたハーブまで引っこ抜き、大目玉を食らっていた。

「どうせこうなると思った」

考えていた言葉は小さな声になっていたらしく、気を悪くしたナルトがまた声を荒げた。
その日はカカシがナルトを抱え込んで解散となり、以降はアカデミーでイルカ先生にお世話になるよう言われた。

「ソラ、お前もいい加減この世界を受け入れろ」

夜、その決定を伝えに来た帰り際に、カカシに言われた言葉である。

「確かにお前にとっちゃあ偽りの世界かもしれないが、オレたちはそんな世界の中でも誇りを持って生きてる。ソラがそんな態度じゃあ、ナルトだって面白くないでしょうよ」

口調はきつくないけれど、それは忠告ではなくて警告だった。
カカシもきっと、火影様の命がなければ私を守る理由もない。
大人の事情を感じ取ってしまうソラには、素直に謝罪することができなかった。

「それにお前が帰れない以上、お前もここで生きていくことになる。その辺のこと、しっかり考えなさいよ」

分かっている。
だけど、認めたくない。

「ま、そういうことだから」

今夜は冷えるから、風邪ひかないようにしっかり布団で寝ろよ。
そう言い残して去った、その後ろ姿を見ながらソラは思う。
カカシは、私が何をするかなんてお見通しなんだろうな、と。

その日からずっと、ソラはナルトが帰ってくるのを待っていた。

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