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朝、学校に登校すると下駄箱に手紙が入っていた。差出人は「謎のペテン師☆MASAHARU」誰が出したか、それはもう十中八九アイツだが、まあいい。「朝、部室で待っています」という手紙に書かれた通り、俺は部室に向かう。扉を開けて、中に入るが謎のペテン師と思われる人物はいない。一体何の用だったんだ。元々部活の予定だったし、仕方なく着替え始めた。そのとき俺は背後から近づく人物に気づかなかった。俺はその人物に毒薬を飲まされ、目が覚めたら―――…財前礼子と付き合っていた!


\デデーン/

以下ダイジェストでお送りします。


シーン1 財前礼子の教室にて
「よっこらせいいち、あっ言っちゃったー!」
「礼子はもぉうまったくう、しょうがないなあ!」


シーン2 幸村精市の教室にて
「礼子、古文の教科書貸してくれない?」
「もう忘れちゃったの?幸村ったらうっかりさん!ゆきむらうっかりせいいち!」
「あははは、礼子はおもしろいなあ!」
「あはははは〜」


シーン3 お昼ご飯にて
「幸村、ほら、あーん」
「あーん」
「あっ幸村、ほっぺにご飯粒ついてるよ!」
「えっどこどこ」
「もーう、こーこ!」
「わざわざありがとう、礼子!」


シーン4 合同授業にて
「礼子見ーつけた!」
「見つかっちゃったあー」
「隣に座ってもいいかい?」
「何言ってるの?最初から、幸村の席だよ」
「礼子にはかなわないなあ!」
「ふふふ」


シーン5 放課後にて
「ねえ、今日誰も家に帰ってこないの…」
「えっ」
「…」
「…行ってもいいかい?」

こくり、と頬を赤く染めうなずいた礼子を見た瞬間、急にめまいに襲われて、俺の意識が遠のいていった。


どうやら悪夢を見ていたらしい。俺が財前礼子とつつつ付き合うなんてそんなばなな…あっ間違えたばかな…!天地がひっくり返ってもぶっちゃけありえない…!制服着てても俺はむちゃくちゃタフだし!

「あっ目が覚めた!どう?今の気分どう?」
「…財前礼子、お前の顔見るまでは良かったよ」
「ねえ、また礼子って呼んでくれないの?」
「! 何ばなな…ばかなことを…」
「そう言うと思いました、こちらをご覧ください」

こちら?そちらを見ると仁王雅治の姿が、そしてその手にはハンディカメラ。財前礼子のことばに応えてサッと画面をこちらに向けてくる。その画面を覗くと、そこには先ほどまでの悪夢がそっくりそのまま映し出されていた。
どういうことだろう。財前礼子と仁王の顔を見ると悪趣味な笑みを浮かべている。

「ねえ、また礼子って呼んでくれないの?」

仁王が後ろで吹き出した。それにつられて財前礼子も吹き出した。そしてそのまま二人は爆笑しながら保健室を去っていったのだった。おい待てカメラ置いてけよ持ってくな仁王!カメラごと破壊させろ!

俺は人知れずこう呟くのだった。

「アン…ビリイバボウ…」



※作中に登場する薬はすべて合法的な手段を用いて作られたものです、よいこはまねしないでね!



(10000hitフリリク/虹都ちゃんに捧げる!)