借りぐらしのアトベッティ1
なんと目覚まし時計が無くなっていた。
どう考えてもおかしい。やはり最近、二階の自室で頻繁に物が無くなっているのだ。気のせいではなかったのだ。何者かが、この部屋から私の物を持ち去っている。でも誰が?何のために?もしかして考えすぎなのだろうか。
うーん、うーん、と私が唸っていると、天井から聞きなれたアラームが鳴った。どういうことだ?天井から聞こえてくるということは、屋根裏部屋に目覚まし時計があるということだ。そんなところに、目覚まし時計なんて持って行った覚えなんてないのだけれど。

おかしいなあ、と首を傾げて屋根裏部屋を覗くと見知らぬ男が目覚まし時計をやけくそに叩いていた。

「止まれ…、止まれよ…!」
「…誰?」
「…人間か!?」
「…アレ?えっ、…人間?」
「俺様はアトベッティ。屋根裏借りてるぜ、あーん」

それが、私とアトベッティ(※どこからどう見ても人間)の出会いだった。

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